個人投資家は波乱相場とどう向き合うべきか?

Q:今回の急落で学んだことはありますか?

A:今回の急落は全くの想定内。波乱相場もある、という前提で資産形成をしている

 特にありません。全くの想定内です。

 前回の暴落といえばリーマン・ショック前後。2007年に米国住宅市場でサブプライムローン問題が勃発し、だらだらと1年半くらいかけて3割下げ、そこからさらに2008年のリーマン・ショックで3割下げました。

 あのときのようなメンタルを削られるような下げ相場に比べると、一気に下がっただけなので、まだちょっとパンチが足りないような気もします。

Q:リーマン・ショックの教訓を教えてください。

A:「いま買わないと損する!」という前のめりのテンションはよくない。常に暴落も想定し、追加投資は少しずつ、が大前提

 私は投資を始めてから3年ほどで2008年のリーマン・ショックを体験し、リスク資産が大幅な元本割れとなりましたが、そのときは「これは、自分よりも先に投資を始めていてリスク資産の取得単価が低そうな先輩投資家に追いつく絶好のチャンスだ!」などと考えながら、アドレナリンをまき散らして、暴落初期に調子に乗って追加投資をし過ぎてしまいました。

 そのせいで、だらだらと下げたあと、本当にリスク資産が極端に安くなったとき、投資用の資金が枯渇するという憂き目に遭いました。「いま買わないと損する!」というような前のめりのテンションはあまり、よくないと思います。たとえ、暴落後の大底で買えなかったとしても、別に損するわけではありません。

 なので、常に標準偏差の2倍を超えるような暴落もあり得るものと想定し、追加投資するとしても、少しずつ、が大前提です。それがリスクヘッジといえばヘッジでしょうか。そのおかけで、投資を始めて15年ほど経ちますが、今回の暴落を加味しても、年率平均で4%ちょいの成績を残せています。個人的には充分に満足ですね。

Q:まだまだショック相場が続きそうですが、どんな心構えで臨みますか?

A:「こうなる」と決めつけず、「なんでもこい! いくらでもこい!」という姿勢で

 停滞相場が続くかもしれませんし、バブルになるかもしれません。「必ずこうなる」などと決めつけず、「なんでもこい! いくらでもこい!」の姿勢でいようと思います。

 相場に関して、さまざまな未来を想定して「こういうことがあるかもしれない」と備えておくことは大切だと思いますが、「こうなるに違いない」という構えはそのうち「こうなってくれ!」という願望となり、やがて眠れぬ夜を過ごす日々に導かれてしまいそうです。

 たとえ論理的根拠があったとしても、相場は個人の思い通りには動きません。多くの場合、私たち素人個人投資家が「自分は相場が読める」という前提に立つことは危険だと、私は考えています。

Q:今回の波乱相場で動揺している投資初心者に一言ください。

A:ほったらかしのドルコスト平均法が無難

 相場の先を予測しようとして、ややこしいことを考えたり実践したりしても、世界中の株式や債券に淡々と毎月同額を積み立てる「ドルコスト平均法」よりも高パフォーマンスを残せるのかどうかは微妙なところです。

 何らかのルールにのっとって追加投資をするとしても、その計算やら判断やらにあんまり頭や時間を使いすぎると、快適な生活を侵食しかねません。私が実践している国際分散積み立てインデックス投資の最大の魅力のひとつは、手間がかからずコスパがいいことなので、「たまに」「ほどほど」でいいと思います。

 もしかしたら、ブログを書いたり、それをこまめに読んだりするようなマニア以外の普通の人は「余計なことはしないのが一番」かもしれません。

 特に長期積立投資を行っている方は、波乱相場でも淡々と積み立てを続けて、そのことを忘れてほったらかしにしておく、ぐらいのスタンスが最も健全といえるのではないでしょうか。

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