不安が強まる中、一筋の「希望の灯」も見えた

 急落・急騰を繰り返しながら日経平均株価は再び、1万9,000円台に迫っています。

日経平均日足:2020年1月4日~4月7日

 世界中で、新型コロナの感染拡大が続いていることが、重大な懸念材料となっています。その一方で、早くから強制力を伴う「外出禁止」を徹底した中国、韓国、イタリア、スペインなどでは、感染拡大がピークアウトしつつあるとの見方が出ています。ニューヨーク州でも感染拡大が鈍化しつつあるとの見方もあります。

 不安が一段と強まる中、「一筋の希望の灯も見えた」のが、コロナショックの現状と言えます。世界の株式市場は、それに反応して動いています。下がる一方だった世界の株式が急反発し、乱高下を繰り返す段階に入っています。

 テクニカル分析で考えると、日経平均の1万7,000円割れは「売られ過ぎ」だったと判断されます。ただし、そこから1週間で一気に1万9,500円まで戻したのは、「反発が速過ぎ」でした。さらに、急落・急騰を経て、また、1万9,000円に迫っていますが、まだ日柄調整が十分とは言えません。もう一度、下値を試す可能性も払拭されません。当面、日経平均は1万6,500円から1万9,500円の範囲で乱高下が続くと予想しています。

 本覧で繰り返し述べていますが、日本株は買収価値や配当利回りから「割安」と判断しており、長期投資で「買い場」と考えています。ただし、このまま一本調子の上昇が続くとは考えられません。

 日本で感染拡大に歯止めがかからず、これから7都府県に発せられた「緊急事態宣言」による経済の落ち込みが厳しくなると想定されるからです。当面、1万6,500円から1万9,500円の範囲で、乱高下を繰り返すと予想します。