有利なコレクションの方法は

 投資をリスク・プレミアムのコレクションだと考える場合に、有利なコレクションの方法について、原則を3つ述べておく。

 まず、株式のリターンには大いに変動があるとしても、平均的にはリスク・プレミアムが存在することを期待して投資する訳なので、資金を長期的に変動リスクに晒して、長い期間にわたってリスク・プレミアムを集める必要がある。つまり第一の原則は「長期投資」だ。

 リスク・プレミアムは投資の利回りとして実現するのだから、複利で増やすことが有効だし、株式を途中で売買して利益に課税されることは平均的に見て不利となる。基本的には、じっと持っていて、配当金が出たら再投資するのがいい。

 第二の原則は、同じリスク・プレミアムを期待できるなら、リスクを抑えてこれを求めるほうが有利なので、「分散投資」ということになる。株式をじっと持ち、資金を長期にわたってリスクに晒すためには、分散投資されたポートフォリオを持つほうが有利だ。なるべくリスクを抑えながら、より多くのリスク・プレミアムを集めることが、投資家のスキルの中核だ。

 勘のいい読者は既にお気づきだろうが、第三の原則は「低コスト」だ。長期にわたるリスク・プレミアムの収集作業に当たって、確実なマイナス・リターンであるコストは小さく抑えたい。

 人々がリスクを十分恐れて株価を形成してくれるなら、「長期」・「分散」・「低コスト」の三原則を活用して投資していると、その投資はリスク・プレミアムを伴ったリターンを生むことが期待できる。投資は、そういう仕組みになっている。