分散投資は少額でもやるべき

――山崎さんが勧める分散投資についてはどう思いますか。

大塚 500万円くらいの投資資金があればできると思うのですが、今は資金が少なくてできていません。

――もし、大塚さんに500万円のお金があったら、分散投資のポートフォリオを組んで、じっくり育てていった方がいいですか。

人的資本も考えた長期投資を、と山崎元

山崎 東大生が大企業に就職して得る生涯賃金は4億3,000万円くらい。それを現在価値に直すと、大塚君には2億円くらいの人的資本があると考えられるので、500万円のお金があるとすると、それにレバレッジを掛けた投資をして、もっと大きな種銭をつくってもいいという考え方もある。

それはやり過ぎだと思うなら、働き始めたら無駄遣いをせずに、早く種銭をつくることを目指すのがいいと思う。

――山崎さんも、そうしたのですか?

山崎 私は浪費家だったから、30歳のとき貯金は100万円くらいしかなかった……。

――何に使ったんでしょうね(笑)話を戻して、投資資金が少額の人は分散投資を諦めた方がいいですか。

山崎 投資資金が500万円もあれば分散投資のポートフォリオを組みやすいことは確かだけど、少額資金でも分散投資はできるし、やるべき。

 私が初心者に教えるときは、「業種の違う株を最低3銘柄買いましょう」「買い増しするときは持っている株と同じものは買わずに、違う業種の銘柄を増やしてください」と説明しています。

 資金が少額でも1銘柄に投資せず、複数の銘柄を持って分散投資の感覚を養った方がいい。そして長い時間の中で、投資のメインディッシュであるリスクプレミアムをコレクションしていく感じですね。このことについては次回、お話します。

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