19年通期利益は予想を小幅に下押し、営業キャッシュフローは改善

現地コード 銘柄名
03969

中国鉄路通信信号

(チャイナ・レールウェイ・シグナル・アンド・コミュニケーション)

株価 情報種類

 3.69HKD
(3/26現在)

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    中国鉄路通信信号の19年12月本決算は、売上高が前年比4.1%増、純利益が12.0%増となり、純利益はBOCIの予想と市場コンセンサス予想をそれぞれ6.6%、5.5%下回った。粗利益率は前年を0.2ポイント上回る22.3%。販売費及び一般管理費(SG&A)は11.2%増と、増収率を超えるペースとなった。2桁増益を支えた主因は、投資収益が18年の5,520万元から3億7,280万元に急増したこと。また、利益水準は市場予想を下回ったものの、配当性向は55.5%の高水準で、1株当たり0.20元の配当を予定する。BOCIは19年決算の下振れを受け、20-21年の利益見通しを減額修正。目標株価を小幅に引き上げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを据え置いている。

 19年通期の増収率は前年比4.1%と、BOCIの予想(6.5%)と市場予想(5.1%)をやや下回った。増益率が増収率を上回ったのは、投資収益の伸びによるもの。一方、SG&Aの対売上高比率が18年の11.2%から12.0%に上昇したことが、最終利益の下押し要因となった。SG&Aの増大により、下期の営業利益は前年同期比6.3%減少している。

 19年の売上高を末端市場別に見ると、鉄道(長距離鉄道)向けビジネスが前年比10.4%増と、最大の増収率を達成。都市鉄道、建設およびその他部門の売上高はほぼ前年並みだった。また、事業別に見ると、設計・インテグレーション事業が19.0%の増収と唯一好調で、同事業が売り上げ全体の24.5%を占めた。

 新規受注は19年に前年比3.4%増の706億1,000万元と、BOCIの予想を下回った。鉄道の新規受注が3.9%増加する半面、都市鉄道関連の受注が0.9%の小幅減となり、18年の6.4%増から後退した。一方、営業キャッシュフローは19年に34億元のプラスとなり、前年の16億元のマイナスから大きく改善。建設部門の規模の管理を継続したことが奏功した。

 19年通期決算が小幅に予想を下回ったことで、BOCIは20-21年の利益見通しを減額修正。うち20年に関しては、予想売上高、純利益をそれぞれ10.2%、6.6%下方修正した。また、目標算出ベースを19年予想から20年予想にシフト。鉄道運行制御システム部門、建設部門について、それぞれ20年予想PER16.6倍、10.0倍をあてはめ、目標株価を小幅に引き上げた。目標水準までの上値余地に言及し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因として、都市鉄道の信号システム市場における競争環境が厳しさを増す可能性に言及している。