二番底は試されるのか

 為替市場では、ドル資金不足が緩和されずドル全面高が続いていましたが、24日(火)はドル安・円安の相場となりました。12兆ドルといわれていたマージンコール(追証。ドル手当てが必要な金額)も終了に近づきつつあるとの見方もありますが、本当にそれだけの巨額のマージンコールがあるのならば、このドル資金不足はしばらく続くと見た方がよさそうです。

 さらにマージンコールだけでなく四半期末に向けたドル借り換え需要も相当あるといわれています。ドル資金不足はFRBの大量資金供給にもかかわらず、まだしばらくは続きそうな気配です。

 一方で、3月末の決算に向けた日本企業のドル売り・円買い需要もあるとの見方もあります。

 ドル手当て買いの抑制要因になりますが、3月末の期末まではさまざまな臆測が流れ、経験上、終わるまでその実態は分からないことが多いのです。

 これらの動きは、特殊な需給要因で動いているため、実体経済を無視した動きであり、ファンダメンタルズ分析も、チャートやモメンタムなどのテクニカル分析も通用しなくなります。このドル資金需要が収まれば、ドル/円はFRBの強烈な金融緩和からドル安に動くと予想されます。

 しかし、水準を無視したドル手当て買いが続いている間は、円安の目処はおけず、1ドル=112円、115円の節目、あるいはそれ以上の円安に動く可能性も想定されるため、注意する必要があります。

 24日は、財政出動期待から日欧米の株が急反発したため楽観的な見方が漂っていますが、「初めての戻りは売り」との格言もあり、二番底を試す動きも予想されます。これまでの急落で売り切れていない投資家も多いことが予想され、まだまだ相場の乱高下は続かざるを得ないかもしれません。相場シナリオは強弱両方備えておいた方がよさそうです。