財政出動の効果は?

 FRB(米連邦準備制度理事会)はゼロ金利と無制限の量的緩和策を決定しましたが、資金供給の域を出ず、経済に刺激を与える効果はありません。そのため、各国政府は財政出動を掲げてきていますが、早期に発動されるかどうかが注目されます。

 特に米国の2兆ドルの財政出動が注目されています。リーマン・ショック直後、金融安定化法案が米議会で否決され、NYダウ平均株価が大暴落した二の舞を踏んでほしくありません。米議会との調整が難航していますが、24日(火)、さすがに決裂することはないだろうとの議会通過観測から期待が先行し、NYダウは+2,112ドルと史上最大の上げを演出し、2万ドルを回復しました。

 トランプ米大統領もこの株急騰を見て発言したか分かりませんが、インタビューでイースター祭の4月12日までには企業の活動を元に戻したいとの意向を述べています。

 株急騰と企業活動再開時期が明示されたことから楽観的なムードになっていますが、ただ、財政が出動されても新型コロナウイルスの感染が拡大している限りは、焼け石に水になりかねないことも予想されます。財政が出動されたからといって、これで一安心というわけにはいかないかもしれません。

 WHO(世界保健機関)の報道官は24日、過去24時間の新たな感染者の85%は欧米で発生しており、その内40%は米国で確認されていると報告。米国の感染急拡大によって米国が新たな震源地になると警戒感を示しました。

 フランスやドイツの都市部に全く人がいない映像を見ている限りは、楽観的な見方かもしれませんが、2週間後に第1波のピークを迎え、収束に向かうのではないかと、期待したいものです。