単身者ニーズの高い「池尻大橋」駅周辺の今後は?

 目黒区の人口動態を見ていこう。国勢調査によると、人口増加率は3.5%(図表3)、単身者世帯の割合も51.0%(図表4)と、東京都23区の平均値に近い。65歳以上の割合が東京都23区では21.5%に対して目黒区は19.9%と平均を下回っていることから、比較的若い世代に選ばれる地域だといえる。

[図表3]目黒区の人口動態

出所:平成27年度「国勢調査」より

[図表4]目黒区の世帯数

出所:平成27年「国勢調査」より

 次に住宅事情を見ていく。目黒区の空室率(図表5)は7.3%と、東京都23区平均を下回る。賃貸住宅の築年数の分布(図表6)を見てみると、1980年代に建てられた物件が最も多く、東京都23区平均と比べると、築年数の古い物件が多く点在する地域であることがわかる。空室率が低いことを見ると、物件の築年数に関わらず入居者が集まる、賃貸ニーズの旺盛なエリアだと推測される。

[図表5]目黒区の住宅事情

出所:総務省統計局 平成25年「住宅・土地統計調査」より

[図表6]目黒区内賃貸住宅の築年数

出所:総務省統計局 平成25年「住宅・土地統計調査」より

 続いて、大橋地区の最寄りである「池尻大橋」駅周辺について見ていこう。駅周辺の平均世帯人数(図表7)は1.87と、単身者ニーズの高い地域だといえるだろう。

[図表7]「池尻大橋」駅周辺の人口動態と

出所:平成27年度「国勢調査」より

 さらに、直近の中古マンションの取引状況から、駅周辺の不動産マーケットの状況を見てみよう(図表8)。「池尻大橋」駅周辺の中古マンションの平均取引価格は約3,500万円で、1平米当たりの平均取引価格は、87.5万円。これは目黒区平均110.4万円を下回る。「渋谷」に至近である立地から、メインで取引される物件が単身者用であることから、必然的に平均取引価格が安くなっていると推測される。

[図表8]「池尻大橋」駅周辺の中古マンションの取引状況

出所:国土交通省 「土地情報総合システム」より作成

 将来人口推移(図表9)を見ていこう。東京特別区の人口は2030年、13,882,538人でピークアウトしていくが、目黒区は2040年に301,037万人でピークを迎える。平均と比較して10年も遅く、不動産投資の観点から見ると有力な候補地となるだろう。

[図表9]目黒区の将来推計人口

出所:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)」

 駅周辺の将来人口推移をメッシュ分析で見ていく。黄色~橙で10%増、緑~黄緑0~10%、青系色で減少を表すが、「池尻大橋」駅周辺(図表10)は安定的な人口増加を示している。

[図表10]2015年~2040年「目黒区大橋」エリアの人口増減率

出所:RESASより作成

 ◆まとめ 

 人口動態や不動産マーケットの状況、将来人口の推計から、目黒区大橋、最寄り駅でいえば「池尻大橋」駅周辺は、単身者ニーズを捉えた安定的な賃貸経営を目指せる地域である。

 さらに東京23区内では地震リスクの最も少ない地域のひとつであり、その点においても、安心して賃貸経営に集中できる、オーナーにとってうれしい環境であるといえるだろう。

(GGO編集部)

※この記事は2019年10月18日に幻冬舎ゴールドオンラインサイトで公開されたものです。

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