ラップの低リスクコースの魅力
話を「楽ラップ」に戻します。
リスクが低いコースである「1000100」の特徴はどうでしょうか。
表3の期間中で、リーマン・ショックの時と同様に、国内株と海外株が下落して、国内債と海外債が上昇したときは、過去4回ありました。
表5 楽ラップの運用期間中に国内株と海外株が下落し、国内債と海外債が上昇したケース
コロナショックによる株価急落で下落はしているものの、2%未満にはとどまりました。
つまり、「株式市場が下がった場合でも、コースの下落幅は小さく、債券市場次第では、月次でプラスも十分に可能性がある」といえます。
次に、国内株と海外株が上昇しているときは、以下のような結果となっています。
表6 楽ラップの運用期間中に国内株と海外株が上昇したケース
上表のように、国内株と海外株が上昇する場合は、リスクの低い「1000100」コースも上昇するケースがほとんどでした。「株式市場が上がった場合には、それなりに上昇についていく可能性が高い」といえます。
つまり、「1000100」コースの特徴は、「株式市場が上がればそれなりに上昇する可能性が高く、株式市場が下落しても下げは限定的で、場合によっては他のコースよりもプラスとなる可能性が高い」といえます。
解約と減額は、現金化して「安心」を得るには最適なのですが、株式市場が反発した場合には、上昇分の利益が得られないことになってしまいます。
相場の反転が早い最近のマーケット動向を鑑みると、株式相場が上昇しても下落してもある程度のプラスが期待できる「ラップのリスクが低いコース」の方が、現金よりは、期待値が高いのではないでしょうか。
上記は楽ラップの例ですが、同じように複数コースが設定されているものとしては、三菱UFJ投信の「ポートスター」、ロボアドバイザーの「THEO」、「ウェルスナビ」、「MSV(マネックス・セゾン・バンガード)」などがありますので、比較検討してみてはいかがでしょうか。
なお、既にラップの投資を行っている方は、「コース変更」で「リスクが低いコース」へと変更が可能です。楽ラップの場合には、「コース変更」は手数料ゼロで行えます。相場が不透明な状況では「リスクが低いコース」で様子を見ながら反発局面は確実に取り、ある程度相場が底入れしたような局面で、もとの「リスクが高いコース」に戻せば、より良い運用成績が得られる可能性が高くなるのではないでしょうか。