「失われた20年」を経て、日本企業の投資魅力は高まった

 1990年代は、日本企業がバブル崩壊、金融危機に苦しみ、「失われた10年」と呼ばれました。1998年から2005年まで、日本企業は生き残りを賭けた「合併・リストラ」「構造改革」を実施しました。その成果で、2003年から07年まで日本企業の復活が続きました。「ようやく失われた10年を脱した」と言われました。

 ところが、それは甘い期待でした。2006年から、「構造改革疲れ」という言葉がブームになり、合併破談や買収防衛策の導入が相次ぎました。その頃から、少子高齢化が一段と進み内需企業が疲弊してきました。さらに、力をつけたアジア企業(中国・韓国・台湾)がエレクトロニクス産業で、日本企業を追い詰めました。2008年にリーマン・ショックが起こると、日経平均は再び大きく下がり、バブル崩壊後の安値を更新しました。

 平成が始まってから、リーマン・ショックに苦しむ平成20年まで、日本は「失われた20年」を経験したと言われました。ただし、後から振り返れば、その時進めた構造改革が今日の日本企業の投資魅力を高めていると考えています。