「失われた20年」では、日本株を保有していない方が良かった

 平成の30年が終わり、令和時代が始まっています。平成の30年のうち最初の20年、日本株は「右肩下がり」でした。

日経平均株価(月次推移):平成元年(1989年)1月―令和2年(2020年)3月(10日)

注:楽天証券経済研究所が作成

 平成元年(1989年)は、日経平均が史上最高値(3万8,915円)をつけた年です。まさに、「バブル崩壊」「失われた20年」がスタートしたところでした。そこから約20年、日経平均は右肩下がりで下がっていきました。日本株を持っていれば、時間がたてばたつほど、損失が増えていく時代でした。

 その時の思いが抜けないからか、日本株を保有するならば「短期勝負」と考えている方が多いように思います。日経平均が下がってくると、個人投資家の買いが増えますが、日経平均が反発すると、個人投資家はすぐに売り越しに転じる傾向が鮮明です。

 日経平均は、リーマン・ショック後の10年で復活、大きく上昇しました。日本株は、長期的にゆるやかに上昇する資産に変わった、と私は考えています。平成の構造改革を経て、日本企業の財務・収益基盤が格段に強化されたこと、日本株が配当利回りや買収価値から見て割安になったことがその理由に挙げられます。

 今、日経平均は急落していますが、それは、景気循環によるものと認識しています。景気は良くなったり、悪くなったり循環するのが常です。景気悪化で売られた今、日本株は、長期投資で「買い場」と判断しています。