スーパーチューズデーで市場の動きは?

 さて、株式市場の反応ですが、スーパーチューズデーの翌日、3月4日の立ち合いではバイデン氏が優勢だったことを受けて、ヘルスケア株が値を飛ばしました。

 その理由は、サンダース氏は国民皆医療保険を主張しており、民間の医療保険制度を廃止し、国営にすることを提唱しているからです。

 一方、バイデン氏は現在の制度を温存させるべきだと主張しています。

 サンダース氏が劣勢と伝えられたので、ユナイテッドヘルス(UNH)、シグナ(CI)、アンセム(ANTM)、ヒューマナ(HUM)、センティーン(CNC)などの株が急騰しました。

 ただこれまでで説明したように、いまだフロリダ、ニューヨーク、イリノイ、ペンシルベニアなど重要州が残っているので、現時点で「サンダースリスク」が去ったと決めつけるのは早すぎる気がします。

サンダース氏はウォール街にとって歓迎せざる候補

 サンダース氏はスチューデント・ローンの債務帳消しも主張しています。これらのことを実現するために全ての株式取引に0.50%の株式取引税という、裕福層に重い資産税を課すことを提唱しています。

新型コロナウイルスで保守化した米国民

 米国民は、「経済を根本からやり直す!」という過激なサンダース氏の主張に猜疑(さいぎ)心を抱き始めている印象があります。特に最近、新型コロナウイルスの発生で経済の見通しが不透明になっているので、(この微妙なときに経済を大きく改変することは逆効果にならないか?)と不安を覚えているのです。

▲特集・米国大統領選2020