日経平均の下値メド:メインシナリオでは2万456円~2万1,419円
新型コロナショックによる日経平均の下落率は、何%に達するでしょうか?それを考えるためにまず、アベノミクス開始後の7回の急落局面での下落率を分析します。アベノミクス開始後の7回の世界株安局面で、日経平均が何%下落したか、以下に再掲します。
【1】2013年5月:バーナンキ・ショック(日経平均下落率▲18%)
【2】2014年1月:米金利上昇を嫌気(日経平均下落率▲15%)
【3】2014年10月:エボラ出血熱ショック(日経平均下落率▲11%)
【4】2015年7月~16年6月:チャイナ・ショック(日経平均下落率▲28%)
【5】2018年2月:米金利上昇ショック(日経平均下落率▲15%)
【6】2018年10月~12月:世界景気悪化ショック(日経平均下落率▲21%)
【7】2020年1~2月:新型コロナウイルス・ショック(日経平均下落率:2月末時点で▲12%)
日経平均の下落率は、▲11%から▲28%まで分散しています。これを2つのグループに分けます。
【第1グループ】世界景気が好調な中でのショック安
【1】【2】【3】【5】が該当します。日経平均下落率は▲11%~▲18%に留まります。
【第2グループ】世界景気が後退寸前まで悪化
世界的な景気後退が懸念された局面での世界株安。【4】【6】が該当します。日経平均下落率は▲21%~▲28%に達しています。
私は、新型コロナによる、世界景気悪化は一時的と考えています。新型コロナの影響が低下する年後半には、世界景気は回復に向かうと予想しています。したがって、今回の下落は、上の第1グループに入ると予想しています。日経平均株価のバリュエーションなども考慮すると、日経平均の下値メドは、2万456円(下落率▲15%)~2万1,419円(下落率▲11%)となります。
ただし、新型コロナの影響が長期化し、米景気まで後退すれすれまで悪化するシナリオを考えると、日経平均はさらに下落することになります。その場合の下値メドは、1万9,253円(▲20%)と考えます。
どこが日経平均の大底となるか、誰にもわかりません。下値リスクは依然、払拭できません。ただし、日本株は配当利回りや買収価値から割安と考えられることから、時間分散しながら日本株を積極的に買い増ししていくべきと考えています。リスクを負って、リターンを狙う価値のある局面と考えています。