ステーキと気候変動のカンケイって?

 さて、気候変動と言えば、日本では昨年9月に小泉進次郎環境相がニューヨークで開催された国連気候行動サミットに出席しました。「毎日でもステーキを食べたい」という発言が話題になりましたが、「何を呑気な」というよりも、環境問題に関心の高い層には、「何も分かってない…」、「ケンカを売りに来たのか!」と受け止められたようです。

 なぜなら、牛肉を生産するための環境負荷は高く、牛はメタンガス、つまり温室効果ガスを発生させる動物。牛の温室効果ガスの排出量は多く、例えば、自然豊かなイメージのオーストラリアは、畜牛が盛んなため、温室効果ガスの排出国になります。

 また、牛肉1kgを生産するのに必要な飼料は約11kg。牛を育てるために、広大な農地を切り開く必要がありますし、飼料となる作物を育てるには膨大な水が必要になります。環境省によると、牛肉1kgを生産するために必要な水は約20,000 倍(2万リットル)。これだけ牛肉は環境負荷が高いのに、「毎日でもステーキを食べたい」と気候行動サミットに参加する環境相が発言してしまいました。

 牛肉ほどではないですが、豚肉も環境負荷が高く、また、鶏肉の生産にも環境負荷がかかります。このため、欧米では食べる肉の量を減らす人、あるいは、更に徹底して、ベジタリアンやヴィーガンが増えています。こうした流れが分かると、環境問題で厳しい言動をするグレタさんが評価されていることや、代替肉を扱うビヨンド・ミートが注目されている背景が理解しやすくなると思います。