トランプ大統領の「再選予想確率」が上昇している

 一方、年末年始の米国株高を支えた要因として、「トランプ米大統領の再選予想確率」が上昇してきたことに注目です。米大統領選挙に関する「予想確率(Implied Probability)」を公表している調査会社(PredictIt)によれば、「共和党候補当選(現時点の予想候補者はトランプ大統領)」の予想確率が初めて「民主党候補当選」を上回りました(図表2)。

 失業率が50年ぶりの低水準(3.5%)にとどまる中、米国の個人消費は堅調に推移。年初のイランに対する強硬姿勢や米中貿易交渉の第1段階合意と株高が現職大統領の当選予想確率を押し上げたとみられます(図表2)。いまだ民主党の大統領候補が絞り込まれていない段階で、当選予想確率として十分な水準とは言えませんが、共和党候補の当選予想確率が民主党を上回ったことが、市場の安堵感に繋がっている可能性があります。

図表2:共和党候補者の当選予想確率が民主党を上回った

出所:PredictItの予想確率(Implied Probability)をもとに楽天証券経済研究所作成(2019/5/1~2020/1/21)

 トランプ大統領は21日、スイスで開催されたダボス会議(世界経済フォーラム)で演説を行い、好調な米国経済への自身の功績を強調しました。同大統領は、「米国は世界がこれまで見たことのないような好景気の真っただ中にいる」と述べ、「われわれは本来の歩みを取り戻し、米国の精神を再発見した」とまで語りました。

 同大統領はツイッターでも、「これまでよりも大きくて素晴らしく強いアメリカンドリームが戻ってきた」と主張し、「われわれ(米国)はいまや群を抜いて宇宙一だ!」と訴えています。

 また、トランプ政権のムニューシン財務長官は、「中間層に向けた所得税減税」を検討していることを明らかにしました。民主党の左派系候補が「大企業や富裕層への増税」を主張しているのと対極的な姿勢です。