19年の出店ペースが予想超え、予想売上高を小幅に増額修正

現地コード 銘柄名
06862

海底撈国際控股

(ハイディーラオ・インターナショナル)

株価 情報種類

 35.50HKD
 (1/15現在)

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 BOCIは海底撈国際の19-21年の予想売上高を1-2%の幅で上方修正した。19年の新規出店が予想を上回るハイペースとなったことなどが背景。19年末の店舗総数はこれで、753店に達した。19年の原材料価格の高騰を受けた粗利益率の縮小見通しや、一部地域での競争激化を受けたテーブル当たり売上高の縮小懸念に言及しながらも、19年通期に前年比52%の増益を達成し、既存店売上高も3-4%の伸びを示すと予想。20年予想PER50.0倍をベースに目標株価を小幅に引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 19年の新規出店数は「1線都市」「2線都市」「3線都市以下」「海外」でそれぞれ推定79店、132店、60店、16店となり、年末時点の総数は185店、339店、177店、52店に達した。出店地域を見ると、消費力が高い上に移住者が多く、これまで1線都市に比べて浸透率が低かった2線都市が中心。一方、所得水準や許容度などの点から、3線以下の都市部や海外での出店にはかなり慎重だった。

 19年の既存店売り上げ伸び率について、BOCIは前年比3-4%を見込む。これは19年上期の4.7%をやや下回る数字。商品価格の値上げ率を3.4%とし、回転率に関してはほぼ横ばいを想定した。急ピッチの出店で、既存店との一部食い合いは避けられないものの、需要自体が依然大きく、現時点ではそう深刻な状況にはなっていないとしている。

 19年には原材料価格が大きく値上がりしたが、BOCIは商品価格の値上げや供給元との価格交渉などにより、粗利益率の縮小圧力は今のところ許容範囲にあるとの見方。19年の粗利益率については、前年を0.3ポイント下回る58.8%を見込んでいる。一方、純利益率に関しては、店舗数の増加や会計基準IFRS16の適用を受けた経費の増大で、19年に8.9%(18年は9.7%)に下向くと予想しながらも、出店攻勢が一段落した後には営業レバレッジが低下し、段階的に上向くとみている。

 一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在要因としては、以下の点を指摘している。下方修正要因:既存店との食い合いや顧客回転率の悪化、一部のサービス悪化、品質や食の安全に絡む評判上のトラブルなどの可能性。上方修正要因:既存店売り上げ伸び率が市場予想を上回る可能性、出店ペースが予想をさらに上回る可能性。

 BOCIは19-21年の新規出店数を270店、260店、255店とみていたが、19年の数字が予想を上回ったため、これを287店、265店、255店に上方修正。予想売上高を1-2%増額した。ただ、利益率の悪化や急速な出店、IFRS16の適用などが売り上げ増効果を相殺するとみて、19-21年の予想純利益を逆に1-3%下方修正。目標株価を小幅に引き下げながらも、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。