生産量の上振れと生産目標の上方修正がプラス、オフショア探査を加速へ

現地コード 銘柄名
00883

中国海洋石油

(CNOOC)

株価 情報種類

13.74​HKD
(1/14現在)

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    CNOOCは19年の石油・ガス生産量が事前予想を2.7%上回ったのに続き、20年、21年の生産見通しをそれぞれ3%、2-4%上方修正した。また、設備投資の積み増しにより、20年のリザーブ・リプレースメント・レシオ(期中の確認埋蔵量増加分÷期中の生産量:翌年度以降にどの程度生産を継続できるかを示す数値)を120%に引き上げるとの目標を掲げた。BOCIは生産関連目標の上方修正を高く評価し、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 同社の石油ガス生産量は19年に5億300万BOE(石油換算バレル)と、自社で示した生産見通し「4億8,000万-4億9,000万バレル」の上限を2.7%上回った。また、20年に生産開始を予定している新規プロジェクト10件の貢献と19年に始動したプロジェクト6件の通期フルの寄与を理由に、20年の生産見通しを約3%上方修正し、新たに5億2,000万-5億3,000万BOEに設定。続く21年の生産目標も2-4%引き上げ、5億5,500万BOEとした。22年については前年予想比で約6%増となる5億9,000万BOEとの目標を明らかにしている。さらに先をみると、25年の目標は日産200万バレル、年換算で7億3,000万BOE。この数字は20年予想比で38-40%増となる。同社はこうした目標の達成に向け、中国オフショアで中・大規模油田の発見を目指すとともに、海外では高質の石油鉱区の買収に照準を合わせる可能性が高い。

 リザーブ・リプレースメント・レシオは20年目標が前年並みの120%。将来的な増産を視野に埋蔵量の引き上げを目指す。この水準を達成するため、同社は20年の設備投資予算を前年実績の802億元から6-18%積み増し、850億-950億元とする方針を明らかにしている。中国と海外との比率は引き続き62対38となることから、中国オフショア向け設備投資の伸びは、投資全体の伸びと同水準となる見込み。これは同系列の油田サービス会社、中海油田服務(02883/601808)の業務量が増加することを意味する。

 同社は一方、過去2-3年間に行った厳しいコスト管理を継続する方針。原油相場が変動する中、石油会社が生き残るためにはコスト競争力が重要な要素となる。

 BOCIは北海ブレント原油の平均価格(予想の1バレル=66米ドルに対して実勢価格は64.2米ドル)の予想下押しを理由に、同社の19年の利益見通しを下方修正した。一方、その後数年に関しては、価格ではなく、主に生産量に関する想定値引き上げを反映する形で利益見通しを引き上げた。また、向こう数年の生産拡大見通しと目標算出基準の「20年予想」への変更を受け、SOTP(サムオブザパーツ)方式に基づく1株当たりNAV(純資産価値)を12.98HKドルから14.07HKドルに上方修正。目標株価を引き上げた。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、原油価格の急落の可能性や大型海外プロジェクトが遅延する可能性を挙げている。