19年10-12月の業績好調を予想、米中豚肉価格差の拡大が追い風に

現地コード 銘柄名
00288

万洲国際

(WHグループ)

株価 情報種類

 8.35HKD
 (1/9現在)

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 BOCIは万洲国際の19-21年の予想売上高、予想純利益をそれぞれ3-4%、4-5%の幅で増額修正した。19年10-12月期以降の川下部門(特に米国業務)の収益力が予想以上に強いとの判断によるもの。米中貿易の回復期待に加え、米中第1段階合意を背景に追加関税の適用を除外される可能性を指摘し、これが米中の豚肉価格差から利益を得る同社ビジネスに有利になるとの見方。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 同社の中国業務の19年10-12月期業績について、BOCIは以下の予想を明らかにしている。【1】生鮮豚肉部門では、1頭当たり利益が前期並みで推移する半面、営業利益率が5.4%から3.4%に低下する。豚コレラの影響で、生体豚価格が10月に歴史的高値を記録したため。川上の供給量の落ち込みを受け、解体処理量も急速に縮小した。続く20年には低コストの冷凍豚肉在庫の縮小は避けられず、供給不足が売り上げに影響する可能性が高い。【2】傘下の河南双匯投資発展(000895)は10-12月にパッケージ肉価格を10%値上げ。これで19年年初からの累計値上げ幅は20%を超えた。製品価格の引き上げが投入原価の上昇圧力を相殺し、19年10-12月、20年の収益性も7-9月(1トン当たり利益3,000元強)並みを維持する可能性が高い。

 一方、米国事業に関しては以下の点を指摘している。【1】豚生産事業の10-12月の予想EBIT(利払い・税引き前利益)は3,000万米ドル。米国での生体豚価格の低迷により、1頭当たり利益は4-6月、7-9月の20米ドル超から約7米ドルに低下するとみられる。【2】生鮮豚肉事業では、サンクスギビングやクリスマスのある10-12月が例年、収益のピークに当たり、19年同期のEBITは年初から最高水準の9,900万米ドルに上る見込み。豚肉と生体豚の価格差の拡大や旺盛な輸出需要が追い風となる。【3】パッケージ肉業務は10-12月も安定を維持し、9.3%の利益率を確保する可能性が高い。

 19年7-9月期には米国から中国向けに11万頭分を輸出したが、経営陣はさらに米国からの輸出を加速させる方向にある。貿易関税は引き続き実質72%の水準にあるが、中国と米国における価格差の拡大という追い風に乗る方針。米国からの豚肉輸出量は19年に過去最大を記録したが、20年にはさらに拡大するとみている。

 BOCIはバリュエーションの手法を維持した上で目標株価の算出基準を19年から20年予想にシフト。その上で、同社の目標株価を引き上げた。新たな目標値は19年、20年予想PERでそれぞれ16.5倍、14.9倍に相当する。一方、レーティング引き上げにつながる可能性がある潜在要因として豚肉・生体豚の価格差の拡大や米中豚肉貿易の予想以上の加速を指摘。逆に引き下げにつながる潜在リスク要因としては、傘下の河南双匯投資発展の営業利益率が予想を下回る可能性を挙げた。