「品川」「大崎」「秋葉原」は人口増加が続くが…

 2000年代に大きく伸びた「秋葉原」「品川」「大崎」。これら3地区の直近の中古マンションの取引状況(図表2)から、駅周辺の不動産マーケットの状況を見てみよう。3地区とも都心だけあり、平均取引価格は高いが、そのなかでも「品川」は、8,000万円弱と群をぬいている。新幹線停車駅というブランドはもちろん、ファミリータイプの物件が多く、金額を押し上げていると推測される。

[図表2]3駅周辺の中古マンションの取引状況

出所:国土交通省 「土地情報総合システム」より作成

  一方、「秋葉原」は、物件数が他2エリアの1/3程度と少なかった。直近の不動産取引状況という限定的な結果ではあるが、ほか2地域と比べて物件の選択肢の少なく、不動産投資においてはネックになるかもしれない。

 次に、駅周辺の将来人口推移をメッシュ分析で見てみよう(図表3~5)。黄色~橙で10%増、緑~黄緑0~10%、青系色で減少を表すが、3駅周辺とも人口増加が見込まれており、不動産投資においてはプラスになるだろう。特に「品川」は、山手線では50年ぶりの新駅「高輪ゲートウェイ」駅が2020年に暫定開業(本開業は2024年)、2027年にはリニア中央新幹線が開業と、インパクトが大きい開発が続く。東京のなかでも、今後、トップクラスの注目エリアだといえるだろう。

[図表3]2015年~2040年「品川」エリアの人口増減率

出所:RESASより作成

[図表4]2015年~2040年「大崎」エリアの人口増減率

出所:RESASより作成

[図表5]2015年~2040年「秋葉原」エリアの人口増減率

出所:RESASより作成

 最後に、山手線全エリアで将来人口推移のメッシュ分析を行ったところ、ほぼすべてのエリアで人口増加の予測であったが、そのなかで人口減のエリアが見られた。1つが「代々木」~「新大久保」にかけて(図表6)。明治通りと青梅街道沿いを中心に、人口減少が予測されている。もう1つが「駒込」~「田端」にかけて(図表7)。住所でいうと、北区田端から北区中里にかけて、人口減少が予測されている。

[図表6]2015年~2040年「代々木」~「新大久保」エリアの人口増減率

出所:RESASより作成

[図表7]2015年~2040年「駒込」~「田端」エリアの人口増減率

出所:RESASより作成

 今後、「東京でも人口減少が見込まれる」と言われているなか、都心であれば問題ないという意見が多い。しかし、これらの地域での不動産投資は、エリアや物件の選定に注意深くなる必要があるといえるだろう。

(GGO編集部)

※この記事は2019年9月27日に幻冬舎ゴールドオンラインサイトで公開されたものです。

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