注目銘柄3:ユナイテッド・テクノロジーズ

 ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)はいわゆるコングロマリットで、エレベーターのオーチス、空調システムのキャリア、ジェット・エンジンのプラット&ホイットニー、航空関連のコリンズ・エアロスペースからなっています。

 第3四半期決算はEPSが予想2.03ドルに対し2.21ドル、売上高が予想193.1億ドルに対し195億ドル、売上高成長率は前年同期比+18.1%でした。

部門別売上高ならびに前年同期比

部門 売上高 前年同期比
オーチス 33.1億ドル +3%
キャリア 48.2億ドル ▲1%
プラット&ホイットニー  52.8億ドル +10%
コリンズ・エアロスペース 65億ドル +64%
(ただしM&Aを除くと+7%)

 2019年のEPSは予想8.03ドルに対し新ガイダンス8.05~8.15ドルが、売上高は予想769.7億ドルに対し新ガイダンス760億~765億ドルが提示されました。

 フリー・キャッシュフローは53億~57億ドルを見込んでいます。なお旧ガイダンスは45億~50億ドルでした。

 ユナイテッド・テクノロジーズは現在、大きな事業ポートフォリオの再編を行っています。具体的にはオーチス、ならびにキャリアを別会社としてスピンオフします。

 このスピンオフが完了した後でミサイル・メーカーのレイセオンと対等合併し、防衛関連企業として生まれ変わる予定です。

 新会社はレイセオン・テクノロジーズという名称となり、旧ユナイテッド・テクノロジーズ株主が57%を、旧レイセオン株主が43%を所有することになります。合併が完了するのは2020年上半期で、新会社の上場先はNYSE、ティッカーシンボルはRTXになると予定されています。

 合併後の新会社は年商740億ドル、EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)135億ドル、社債格付け「シングルA」になると予想されています。

 合併によるコスト削減シナジーは年間10億ドルと見込まれています。

 新会社の売上ミックスはコリンズ・エアロスペース部門が年間220億ドル、プラット&ホイットニーが210億ドル、諜報宇宙対空システム部門が180億ドル、統合防衛ミサイル部門が160億ドルと見込まれています。