中期的な上昇トレンドが継続

 続いては、今年の3つの局面を通じて、中期的なトレンドに変化が生じたのかどうかについてもチェックします。

■(図2)日経平均(週足)の動きと線形回帰トレンド(2019年12月25日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図2は、2016年6月下旬を起点にして、週足の日経平均のトレンドを線形回帰分析したものです。ここを起点にした理由ですが、いわゆる「ダブルボトム」を形成して底打ちしたタイミングだったことをはじめ、2016年は前回の米大統領選挙が行われた年であり、現在も尾を引く「ブレグジット問題」につながる英国のEU(欧州連合)離脱を問う国民投票が行われた年でもあるからです。

 あらためて図2に視点を戻すと、線形トレンド(中心線と±1~2σ)は右肩上がりとなっており、中期的な上昇トレンドが継続していることが分かります。

 もちろん、今後の値動き次第で線形トレンドの傾きは変化していきますが、今後の相場について大まかな方向性を捉えることはできます。図の右端は2020年末になりますが、中心線は2万4,880円のところに位置しています。そこからやや強気の+1σであれば2万6,260円、もっと強気の+2σであれば2万7,630円が目安になります。反対方向についても見ていくと、▲1σは2万3,500円、▲2σが2万2,130円となります。