政策支援が追い風、インフラ投資の回復傾向が当面持続へ

現地コード 銘柄名
01186

中国鉄建股フン有限公司

(チャイナ・レールウェイ・コンストラクション)

株価 情報種類

8.52HKD
(12/19現在)

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 BOCIは引き続き、中国の有力ゼネコン、中国鉄建に対して強気の見方を維持している。同社株のバリュエーションがヒストリカルな底値水準にあることや、インフラ建設プロジェクトの履行に向けた政策支援が背景。インフラ投資の回復見通しは、本来、最有力建設グループの一つである同社の支援材料になると指摘し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 インフラ建設プロジェクトの履行を促す強力な政策方針を受け、インフラ部門の固定資産投資(FAI)は11月に前年同月比5.2%増加。10月の同2.0%増、1-10月の前年同期比3.3%増から加速傾向を示し、年初から月別で最も高い伸びを記録した。BOCIは国内経済の安定成長を目指す上で、インフラ投資が果たす役割は非常に大きいとみている。19年に入ってから、インフラFAIがほぼ一貫して低調に推移する中、中央政府は地方政府プロジェクトをはじめとするインフラ建設事業の推進に向け、資本要件や資金調達に関する新たな支援策を導入。資本要件を引き下げ、最大50%を借入で賄うことを認めるとした。BOCIはこうした政策の下、インフラ投資の回復傾向が続くとみて、20年のインフラFAIについては前年比5-7%の伸びを予想している。

 一方、インフラセクターは比較対照値の高さやインフラFAIの伸び悩みを背景に、19年年初から主要株価指数をアンダーパフォームしている。個別銘柄の現在株価のバリュエーションを見ても、その多くがヒストリカルな底値水準。BOCIは現在の低バリュエーションやインフラ投資の回復見通しを理由に、インフラ銘柄の魅力を指摘している。

 中国鉄建はインフラ銘柄の中でも最大手クラスで、19年1-9月の新規受注は前年同期比25.1%増と好調。同期の売上高、純利益もそれぞれ同14.6%、16.2%の伸びを示した。また、19年上期末の受注残は2兆9,420億元と18年通期売上高の約4倍に当たる。BOCIは建設プロジェクトの履行支援政策を受け、手元受注残がそのまま、売り上げ計上につながる可能性が高まると指摘。新規受注の力強い伸びにも寄与するとみている。

 同社の取締役会はこのほど、子会社の鉄建重工集団(China Railway Construction Heavy Industry Corporation Ltd:STIB)を、新興ハイテク企業向けの新市場、「科創板」に上場させる計画を承認した。この先、株主総会(20年2月開催予定)での承認が必要であり、上場プロセスにはさらに4カ月ほど要する見込み。実際に上場するのは20年下期となる可能性が高い。BOCIは高バリュエーションが見込まれるSTIBの新規上場が、中国鉄建株の支援材料になるとみている。

 現在株価の20年予想PERは4.9倍と、魅力的な水準にある。BOCIはインフラ投資の回復期待を受けた代表的な推奨銘柄の1社である点を指摘。利益見通しや目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。