3.大きく上昇した銘柄を買わない

 株価は右肩上がりになだらかに上昇を続けていくものではないことは皆さんお分かりでしょう。株価は仮に長期的には右肩上がりに上昇していくにせよ、時には上にも下にも行き過ぎることがよくあります。1.で示した任天堂も、高値をつける直前の2年間で株価は約6倍にまで上昇したのです。株価チャートをみると、非常に急激な上昇をみせたことがお分かりいただけるでしょう。

 株価が大きく上昇している、ということは株価が上に行き過ぎている可能性があります。そうなれば行き過ぎた株価はいずれ修正されるもの。高値掴みは最も塩漬け株が発生しやすい投資行動の1つです。損切りできないのなら、大きく上昇した銘柄を高値で買うのは避けましょう。

4.業績予想を過信しない

 株価は将来の業績を織り込んで動きます。しかしながら、将来は誰にも分らないもの。将来の業績予想と実態とが大きく異なるケースも頻繁にみられます。

 好業績の予想を信じて、好業績が期待できる銘柄に投資したとしても、実際は業績が良くないことが市場関係者の知るところとなれば、もともと好業績期待で株価が高かった分、下落も激しいものになります。あっという間に株価が2分の1、3分の1になってしまうケースも珍しくありません。損切りができれば、下落の初期段階で逃げれることができますが、損切りができなければ、多額の含み損をかかえてしまうことになりかねません。

 業績予想は外れることも多々あります。損切りができないのならば、業績だけでなく株価の動きや株価位置に気を配り、塩漬けになる可能性ができるだけ低いタイミングで買うようにすべきです。

5.売られすぎの局面で買う

 損切りしないことによる最大の弊害は、「塩漬け株」を作ってしまうことにあります。塩漬け株を作らない、仮に作ってしまうにしても含み損をより小さくするには、「できるだけ安く買う」ことを心がける必要があります。

 株式市場は上にも下にも行き過ぎると先ほども申し上げましたが、1年に1回は「明らかに売られすぎ」という局面があるものです。半ばパニックになって皆が投げ売りする場面こそが安く買う最大のチャンスです。
 その後の反発局面でしっかりと利食い売りをするのであれば、この戦略の成功性は高いといえます。

 売られすぎかどうかを判断するには、例えば25日移動平均線からのマイナス乖離率(日経平均株価であればマイナス10%が目処)、信用評価損益率(マイナス20%以下が目処)、25日騰落レシオ(60%が目処)などを用います。

 ただ、売られすぎの局面はめったにありませんし、買いのタイミングもかなりシビアになりますので、常日頃から上記の指標や株価のチェックは怠らないようにしなければなりません。

 また、2008年10月の株価暴落局面など、「売られすぎ」の状態からさらに大きく下落することもあり得ます。この方法は過去の実績からみて成功の可能性はかなり高いと思われますが、100%万全なものではありません。買うなら下落終了直後の反発に転じたタイミングで買うようにしましょう。

 株式投資に限らず、儲けの基本は「安く買って高く売る」ことです。損切りをどうしてもしたくない、もしくはできない方は、できるだけ安く買うことを心がけ、持ち株が多額の含み損を抱えることのないようにしてください。