宿題4のヒントとよもやま話

宿題4.毎月分配型の投資信託は良い商品ではないのに、よく売れました。理由を行動経済学的に説明してください。

◆毎月分配型の行動経済学

「毎月分配型投資信託が、なぜダメで、しかしどうして売れるのか、説明せよ」という趣旨の問題は、筆者が大学で「金融資産運用論」を教えていた時の試験問題の定番だった。

「なぜダメか」を一般人が広く理解するようになるためには、中学あるいは高校の数学の問題として、お金の損得計算が出題されるようになるといいと筆者は考えている。入試問題で計算問題を解いた経験があれば、「分配金に釣られる」ことの愚かさを実感できる人が増えるのではないか。

 一方、ダメな商品なのに現実に売れているのはなぜかを説明するのは、経済学にとっても考える価値のあるテーマだ。現実問題としては、「セールスマンが一所懸命に売るから」という理由が最大だろうが、それだけではない。

 なお、行動経済学の基礎については、大竹文雄「行動経済学の使い方」(岩波新書)の第一章に40ページ強にまとまったコンパクトな説明がある。