もうひとつのリスク「トルコ中央銀行」

 トルコの物価はこのところ落ち着いています。今年前半には20%近くもあった消費者物価指数が11月にはほぼ半分の10%台まで下落。トルコ中央銀行にとっては利下げする余地が生まれたわけで、実際この1年でトルコの政策金利は24%から12%まで半分になりました。

 適度な利下げは、トルコ経済にとって歓迎すべきことです。では問題は何かというと「利下げやり過ぎ」。政策金利はすでに適正水準まで下がっているのですが、エルドアン大統領は満足していないようで「もっともっと下げろ」と圧力をかけています。トルコは来年初めに債券のロールオーバーが集中していて、投資リスクに見合わない低金利や不透明な金融政策や借り換えを困難にさせることが予想されます。2020年は、行き過ぎた利下げがトルコ急落の引き金になるでしょう。