単身者人気の「武蔵小山」と家族人気の「武蔵小杉」
3つの地域を分析していこう。まずは人口増加率(図表1)。どのエリアも人口が増加しており、特に武蔵小山を有する品川区と武蔵小杉を有する川崎市中原区は増加率5%と高水準。ここ数年の「武蔵小杉」の急激な人口増加はこの国勢調査による統計には表れていないが、それを加味すると同地域はさらに上をいっていると考えられる。
[図表1]3地域の人口動態
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世帯数を見ると(図表2)、品川区の単身者世帯率は54.91%と、他の2地域と比べて高い水準を示している。東京駅を起点にした距離で見ると、「武蔵小山」は8㎞、「武蔵小杉」は15km、「武蔵小金井」は23㎞となっており(いずれも直線距離)、都心に近い品川区は単身者需要が高く、郊外の武蔵小金井有する小金井市や川崎市中原区は家族層から支持されている結果だと考えられる。
[図表2]3地域の世帯数
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住宅事情を見ていく(図表3)。住宅総数に対して空き家の数は小金井市が最も高く、空室率は9.43%。一方都心から遠い川崎市中原区のほうが、品川区よりも空室率は低くなっている。これは近年、武蔵小杉周辺で新築物件が続々とできていることで、空室率を押し下げている結果だと考えられる。
[図表3]3地域の住宅事情
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駅周辺に的を絞って分析していく。まずは世帯数を見ていく(図表4)どの駅周辺も一世帯当たりの人数は2人以下となっており、駅近は単身者向けの物件が多いと考えられる。また賃貸世帯の割合を見ると、「武蔵小杉」がほか2地域より約2%高くなっている。これは駅周辺の大規模開発の結果、多くの賃貸物件が供給されたためと推測される。
[図表4]3駅周辺の人口動態と住宅事情
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次に直近で取引のあった中古マンションを抽出し、不動産マーケットの状況(図表5)を見ると、武蔵小山は平米数の狭い単身者向けの物件が、武蔵小金井や武蔵小杉は平米数の広い家族向けの物件の取引きが多いことが推測される。また1平米当たりの平均取引価格が武蔵小山と武蔵小杉で拮抗しているのは、武蔵小杉のほうが築浅物件が多く取引されている結果だと考えられる。
[図表5]3駅周辺の中古マンションの取引状況
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