vice指数で占う2020年は?

 もうひとつ来年の景気動向を占う上で話題になっている指標があります。新聞によると、 vice指数(vice index)という4カ月先の消費動向を予測できる指標です。「vice」とは「悪い習慣」という意味で、個人が余裕資金をどの程度使っているかを計る指標です。ビッグデータを基に投資助言を行うサウスベイ・リサーチが、酒やギャンブル、宝飾品などへの支出動向を基に独自に算出し、個人消費動向を先行予測しています。実は、このvice指数が9月に、1996年2月以来、約23年半ぶりの低水準をつけたそうです。

 9月の4カ月先ですから、1月か2月発表の小売売上高などの個人消費の動向を示す経済指標に映し出される可能性があります。米国GDP(国内総生産)の7割を占める個人消費が減速すれば、米国の景気が後退していくことになります。

 一方で、来年2020年の前向きな経済予測も出始めています。ゴールドマン・サックス・グループは、「2020年には貿易戦争からの米中経済への逆風が徐々に弱まる。中国からの輸入品に対する関税は今がピークである可能性が高い」と分析しています。そして「世界経済と企業利益が2020年に安定し、中央銀行の政策がほぼ据え置きであってもリスク資産の値上がりが可能だ」と予想しています。

 果たして、vice指数の予測通りに消費が減速するのか、ゴールドマン・サックス・グループの見通しどおりに展開するのか、まずは「ブラックフライデー」の結果に注目です。