米感謝祭とブラックフライデー

 ドル/円は109円台に乗せたものの勢いは鈍く、レンジの中を行ったり来たりしているだけの動きです。無理もありません。28日の木曜日には米国感謝祭が控えているため、大きくポジションを動かす行動には、慎重になっているようにみえます。

 毎年、11月の第4木曜日(今年は11月28日)の米国感謝祭(サンクスギビング:Thanksgiving Day)の前には、ポジションを閉める動きが出やすくなります。また、サンクスギビングは、日本で言うとお盆のような行事であり、家族、友人が集まってお祝いをするため、金曜日も休みを取る人が多く、帰省の動きが活発となります。従って、お祝いの日には「相場を気にせず過ごしたい」という心理が働きやすくなるようで、相場はますます動かなくなります。

 そして、サンクスギビングの翌日の金曜日は、小売業のクリスマス・年末セールの初日、かつ最大の商戦日となります。この期間だけで、年間売上高の2割ほどを稼ぐと言われているため、商売が黒字となることや人出の多さから「ブラックフライデー」と呼ばれています。この日の消費額は、年末に向けての消費動向を占う指標として、マーケットでは注目されています。今年の年末商戦の売上高は前年比で5%増えると予想する米証券会社もあり、個人消費への期待は根強いものがあります。

 また、このブラックフライデーの結果は、来年の景気動向を占う上でも関心が高まっています。というのは直近の8-10月期の決算で大手百貨店メーシーズは減収、ホームセンター大手のホーム・デポは下方修正、一方で小売最大手ウォルマートやディスカウントストアのターゲットは増収増益と、小売業の決算が二極化していたからです。どちらが実体経済を反映しているのか、ブラック・フライデーの結果は非常に気になるところです。