広東省の肇慶新区、都市ガスや統合エネルギー事業に大きな成長潜在力

現地コード 銘柄名
02688

新奧能源控股

(ENNエナジー)

株価 情報種類

85.90HKD
(11/21現在)

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 BOCIは最近のIR活動で得た情報に基づき、新奥能源の肇慶新区(広東省)プロジェクトの成長潜在力を高く評価している。新規のガス管接続需要や都市ガス需要、統合型エネルギー事業などがいずれも有望との見方。現時点では利益見通しや目標株価を据え置き、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 肇慶市は中国南西部への玄関口に当たり、高速列車で広州白雲空港まで45分というロケーション。新奥能源は旧市街における都市ガス・プロジェクトおよび統合型エネルギー・プロジェクトの権益100%を保有し、新区においては両プロジェクトの権益の70%を握る。肇慶での事業は売上高と利益の両面から、同社にとって常にプロジェクト別トップ10に入る規模。中でも、面積115平方キロメートルの新区はまだ6.5%しか開発が進んでいないという点で、成長余力が大きい(周辺エリアを含めれば、新区の面積は最大518平方キロまで拡大可能)。市政府は主に、新エネルギー車、先進設備、省エネ・環境保護という3事業部門の開発に照準を合わせており、新区における21年の総売り上げ目標は2,320億元。エリア内の人口は30年までに100万人を超える見通しという。こうした目標や予測値は、新区におけるガス需要やガス管接続需要の拡大余地をうかがわせている。

 肇慶新区はまた、統合エネルギー事業の点からも、同社にとってビジネスチャンスが大きい。区内に15の統合型エネルギーステーションを建設する計画であり、うち3カ所はすでに操業中。ほかに3カ所が年内に稼働を開始する運びとなっている。多くのステーションが現在のところ、天然ガスを使った冷気供給業務を主力とする。同社にとっては、新区全域がゼロから開発されているという事情がプラス。関連施設のシナジーや稼働状況の向上に向け、より良い計画の策定が可能になるという。また、同社の投資に対しては、現地政府も一定額の補助金を支給している。

 肇慶市政府はまた、新区において電力ケーブルや通信ケーブル、水道管、ガス管を通すための総延長45キロの地下経路を建設中であり、うち26キロ分はすでに完成した。これも、自前で地下ルートを掘り進める必要がないという点で、同社にとってプラス。市政府が整備した地下施設にガス管を導入するだけで、必要な作業が完了することになる。

 BOCIは19年予想PER19倍(コアEPSベース)、PEGレシオ1倍に相当する目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、統合型エネルギー・プロジェクトの収益が予想を下回る可能性、景気減速を背景にガス販売量が予想を下回る可能性を挙げている。