2008年の金融危機以降、銀行に対する規制は強化されたが、IMFは、リスクが企業部門を含む他の場所に転移したと述べている。債務に対する金利の支払いに税控除を与えることを各国が再び検討する必要があると考えており、それが企業に借入を通じて資金調達することを促した。
Adrian氏とNatalucci氏は、中央銀行が採用した安易な金融政策は、投資家をより高い利回りを求めて賭けに出ることに追い込み、短期的には金融市場を後押しするのに役立ったが、中期的には不安定性と低成長のリスクにさらした。
「投資家は、中央銀行の行動とコミュニケーションを金融政策サイクルにおける転換点と解釈した。GDP(国内総生産)によって測ることができる経済の約70%は、より緩和的な金融スタンスを採用している。この変化には長期利回りの急激な低下が伴った。一部の主要経済国では、金利はマイナスである。驚くべきことに、マイナスの利回りを持つ国債と社債の総額は約15兆ドルに増加した」と述べた。
過去6カ月間、年金基金や保険会社など、銀行に分類されていない金融機関における脆弱性が増していると彼らは付け加えた。GDPで測定される経済の80%において、システム的に重要な金融セクターにおけるリスクが上昇した。これは、金融危機に匹敵するレベルである。
「保険会社、年金基金、資産運用会社などの機関投資家は、金利が非常に低いため、利回りを求め、よりリスクが高い流動性の低い証券を引き受けて、目標とするリターンを生み出している」
「たとえば、年金基金はプライベートエクイティや不動産などの代替資産クラスに対するエクスポージャーを増やしている。考えられる結果は何であるか。投資ファンドのポートフォリオにおける類似性は市場の売却を増幅させ、年金基金による非流動的な投資は市場における伝統的な安定化の役割を制約する可能性がある。加えて、生命保険会社による国境を越えた投資は、市場全体に影響を及ぼす可能性がある。」
積み上がるウォーレン・バフェットの手元現金は1,280億ドルと過去最高
ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイの手元現金は1,280億ドル(1,280億ドル×108.60=13兆9,000億円)に達し過去最高を記録している。ウォーレン・バフェットは、会社の資金を株式市場に投入する代わりに、1,280億ドルを現金保有することにした。これは、危機が来ていると彼が信じていることを明確に示している。