欧米金融政策発表でドル、ユーロの動きに注視

 次回の日米欧の金融政策委員会では、この中国経済の減速と米中通商協議の不透明感をどのように判断するのでしょうか。

 10月に入って発表された9月分の米国経済指標は弱い数字が相次いでいます。月初のISM景況感指数は製造業も非製造業も悪化しました。さらに先週発表された16日(水)の小売売上高(前月比▲0.3%)、17日(木)の住宅着工件数(同▲9.4%)、建設許可件数(同▲2.7%)、鉱工業生産指数(同▲0.4%)もことごとく悪化し、米株やドルの頭を抑える方向で働いています。

 米国7~9月期GDP速報値は、FOMCの最終日30日の朝に発表されます。数字が悪化していれば、FOMCの決定に影響を与えるかもしれず、注視する必要があります。

 前回のFOMCやECB理事会では、内部の意見対立が目立ちましたが、今回、現在の状況を受けて、緩和の方向で意見が収束するのか、どのくらい反対派を抑え込めるのかが、注目点となります。

 特に内紛が目立つECBでは、今まで反旗を翻していた理事たちがドラギ総裁の最後の理事会であるため、今回は黙っておき、次回のラガルド氏まで我慢するのかどうか。

 また、前回のECBでは量的緩和再開について反対派がいたため、ユーロは反発しましたが、欧州でも経済環境が前回から変わっていれば、同じような動きにならないかもしれません。経済が悪化していれば、反対派の動きは金融政策が機能しないと捉えられ、ユーロの売り要因になる可能性もあります。