部分合意はまだ口約束。文書に署名したわけではない

 現時点でまだ、部分合意は確定していません。合意文書を作成するのにまだ3~5週間かかる見通しです。合意文書にトランプ大統領と習近平中国国家主席が署名するのに、かなり時間を要します。今回の「部分合意」劇があまりに米国主導だったので、合意文書作成の過程で、中国側が追加で要求を出す可能性もあります。そうなると、部分合意の成立に不安が出る可能性もあります。

 中国側が問題にしそうなのは、米国が12月15日に予定している「対中制裁関税第4弾」(輸入品1,600億ドル相当に10-15%の制裁関税をかける)を撤回していないことです。また、米国は中国通信大手ファーウェイへの禁輸も解いていないし、10月7日には中国の監視カメラ大手ハイクビジョンなどへの禁輸措置も新たに決定しています。米国主導で強引に部分合意に持ち込まれたように見えることを、中国政府が好まない可能性もあります。