投資の日に「不確実性と向き合うリスク分散投資」を意識する

 市場が直面するリスク要因は、米大統領選挙の行方だけではありません。今月末に予定されている英国のEU(欧州共同体)離脱、米中貿易摩擦と中国の景気鈍化、香港で激化する市民デモと共産党政府の対応、米国・サウジアラビアとイランの対立を軸とする中東情勢の緊張、国内の消費税増税の影響や東京オリンピック・パラリンピック開催後に不安視される成長期待の鈍化などです。

 重要なのは、リスク要因それぞれの行方や市場の反応を正確に予想し、タイミングを決め打ちして売買を続けることは専門家でも至難であることです。現代投資理論の柱とされる「効率的市場仮説」によると、相場タイミングや銘柄選別で収益を積み上げ続けるのは不可能とされます。

 実際、米国ではアクティブ運用を訴求するミューチュアルファンド(公募投信)やヘッジファンドの淘汰が進んでおり、インデックスファンド(低コストの市場指数連動型ファンド)への長期積立投資が資産運用の王道となっています。

図表3:過去1年の内外資産別パフォーマンス

*2018年10月1日を100として各総収益指数(配当/クーポン/分配金込み指数)の推移を比較
(出所)Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2018/10/1~2019/10/2)

 そうしたなか、リスクを和らげリターンを安定化する方法として、複数の内外資産に幅広く投資をする「国際分散投資」があらためて注目されています。

 図表3は、日本と外国(日本を除く世界)の株式、債券、REIT(不動産投信)、金のリターン(総収益パフォーマンス)を過去1年検証したものです。残念ながら、日本株(TOPIX)だけに投資してきたケースが最悪だった事実がわかります。

 金利が低下したことで内外債券のリターンは底堅く、外国株式が日本株式よりも優勢であったことに加え、オルタナティブ(代替投資)を象徴する内外REITと金が堅調を鮮明にしてきました。特に、昨年末の内外株式下落時における債券、REIT、金の相対的堅調に注目したいと思います。

 10月4日は「投資の日」です。この機会に、株式、債券、REIT、金などリスク特性が異なる資産にバランスよく分散投資する(出来るだけリスク分散とリターンの安定化をはかる)ことが「不確実性と向き合う資産運用」の本質である点を確認したいと思います。

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