ゴールドの強気相場は続く

2017年9月11日(月)掲載分より

 ゴールドの上昇が止まりません。先週は1,357ドルとまた年初来の高値を更新。あっという間に1,300ドル台も半ばまで到達しました。北朝鮮の核実験、そして週末の建国記念日への警戒、米国ではハリケーン「ハービー」での被害、そして続く「イルマ」のフロリダへの直撃コース、と投資家の不安心理は休まるところがない状況です。

 Nymex(ニューヨーク・マーカンタイル取引所)の投資家ロングポジションは870トン超えと7週連続でのロング増加で、歴史的に天井感のある1,000トンに近づいています。一時的なロングの利食い売りという内部要因での下げの可能性は要注意ですが、ドルインデックスが92を割り込み、年初来のドル安傾向が変わらない現状では、やはりゴールドは外的環境からの強気相場が続くと考えます。一時的セットバックがあっても1,400ドルは時間の問題ではないでしょうか。

CFTC Commitment of Traders Report as of  05 Sep 2017
2017年9月11日(月)掲載分より

右軸:投資家ポジション(トン)
左軸:ドル建てゴールド価格
出所:池水氏のレポートより抜粋

 投資家ロングポジションは818トンから873トンへ7週連続での増加。投資家の資金流入が続いています。

ゴールド再び高値更新

2017年9月8日(金)掲載分より

 ゴールド再び高値更新で、1,350ドルにタッチしました。このレベルは1年ぶりです。昨日の最大の材料はドル安で、ドルインデックスは92を大きく割り込み91.6。これは2015年1月以来の低いレベルです。ドル安の流れとやはり投資家の安全資産志向で、まだまだゴールドの投資需要は変わりそうもありませんね。

 1,400ドルまであと50ドル。1,400ドルは2013年8月以来つけていませんが、ここを超えると過去4年間の天井をブレイクしたこととなり、また新たな地平が広がると思います。今の情勢下ではまだまだゴールドは強気でよいと思います。

 プラチナも今年3月以来の高値となり1,000ドルを超えて落ち着いてきそうです。
やはり900ドルで底を打ったという見方は正しかったようです。

米債務上限引き上げ抱き合わせ合意で反落

2017年9月7日(木)掲載分より

 静かなマーケットでしたが、「トランプ大統領と米議会指導部がハリケーン『ハービー』の被害救済法案に12月15日までの債務上限引き上げと政府運営資金確保を抱き合わせることで合意」というニュースでドルが買い戻され、ゴールドは1,341ドルから1,331ドルまで10ドルの下落となりました。その後は1,334ドルまで戻してニューヨークは終わり。ドル円と反応した動きであり、円建ては昨日の東京引けより若干上昇。ま、小動きですな。

パラジウム下落

2017年9月7日(木)掲載分より

 パラジウムは金曜日の急騰分をすべて戻しました。やはり金曜日の940ドルから980ドル、そして翌日の1,000ドルまでの急騰は、おそらくは投機筋の先物買いが大量に入ったせいなのでしょうか。これだけ上がったのに「リースレートがまったく動かなかったのはおかしい」と月曜日に書きましたが、それがやはり現物絡みでの買いではなかった証明となりました。おそらくは買った筋が1,000ドルは堅しということで売り戻したのでしょう。

ゴールド年初来高値更新

2017年9月6日(水)掲載分より

 昨日はニューヨークでゴールドが1,344ドルという今年の高値をつけました。昨日お休みだったニューヨークダウは234ドルと大きく下落。米国債は大きく買われて10年債の利回りは2.0596%とこれは年初来の最低金利(価格は上昇)となりました。休みの間の出来事であった北朝鮮の核実験を織り込んだ形ということですね。

 ゴールド、米国債、円、スイスフラン、安全資産が買われています。有事のゴールドは売りといつも言っていますが、これは有事が短期的に終わるという前提。これまですべてそうでした。しかし北朝鮮は短期的には終わりそうではなく、これからまだまだクライマックスに近づいていくとすると、この有事は、これまで有事とはまったく違ったものになります。まだまだその先が見えない現状では、ゴールドはホールドが正解だと思います。

 パラジウムは反落。先週金曜日に940ドルから980ドル、一時1,000ドル手前まで急騰しましたが、その割にリースレートの大きな上昇がなかったことから、現物の買いというより投資家による先物買いであろうと想像ができます。しかし、さすがに買われすぎたのか、昨日は960ドルまで金曜日の上げの半分は下げました。

増加するゴールドETF

2017年9月6日(水)掲載分より

 8月上旬には2,050トンまで減少していた世界のゴールド ETF (上場投資信託)の総合残高ですが、このところの資金の流入が続いており、現在2,120トンまで回復しました。

ニューヨーク休場で静か

2017年9月5日(火)掲載分より

 昨日は米国が祝日で、ニューヨークのほとんどの金融市場はクローズでした。アジアでの高値が1,340ドル手前までありましたが、ロンドンは1,330ドル台前半で静かな動きとなりました。

 ほかのメタルもとりあえず一服という感じです。もちろん油断は禁物ですね。北朝鮮、どうなるかわかりません。