マーケットが米雇用統計に対して関心を失ってしまってから久しくなりました。今もまだ「ライブ中継」などが放映されていますが、最近の雇用統計に対するドル/円の反応は大人しいものです。
なぜこんなことになったのか。やはり雇用統計と米国の金融政策の関係が切れてしまったことに原因があるのではないでしょうか。去年(2018年)のFRB(米連邦準備制度理事会)は、雇用統計が弱くても利上げしていたし、今年(2019年)は、雇用統計が強いにもかかわらず利下げを続けています。
FRBは9月に今年2度目となる利下げを実施しました。さて、次はどうするか?しばらく様子見か、それとも12月にもう一度利下げするのか。これについてはFOMC(米連邦公開市場委員会)内部でも意見が対立しています。パウエルFRB議長は、今後の政策方針は「経済の進展次第」と述べています。つまり、雇用統計の結果が次の利下げのタイミングに影響を及ぼす可能性大ということです。
過去3ヵ月の推移と今回の予想値
パウエル議長は、労働市場は「強い」と自信を持っています。しかし、最近の調査からはそれに反する報告が増えているのです。最近の金融市場は、ネガティブな材料により敏感に反応する傾向があるので、予想を下回る悪い結果には良い結果よりも注意が必要でしょう。