年金のもう一つの重要な役割

シノちゃん 前回も教えたけれど、大事なことだから、もう一度言うね。

 年金は、心身障害の状態になったときの生活保障の役割も担っているよ。現役世代の人が不慮の事故で障害を負った場合、一生涯、一定の生活保障をしてくれるのも年金の重要なポイント。これは障害年金と呼ばれる制度ね。

 それから、自分が死んでしまって家族を残すことになった場合も、一定水準の生活を保障してくれるの。こっちは遺族年金制度よ。

 公的年金は、将来だけでなく、現役時代の「今」の自分や家族も自動的に守ってくれているの。人生のどのタイミングで年金のお世話になるかは誰にも分からないから、いざというときに自分と家族が困ることのないように、きちんと年金保険料を納めることが重要なのよ。

 

年金はもらえるけれど、自助努力は必要だよ!

シノちゃん ここまで教えたように、公的年金の制度自体が破たんしたり、年金受給額がゼロになったりということは考えにくいけれど、おじいちゃん、おばあちゃんになっても、現役世代のときと同じか、それ以上の水準で生活したいという人は、やっぱり自身でお金を貯めて、資産を作っていく必要があるわね。

岡本くん 僕は引退したら、世界一周旅行したい!

シノちゃん それなら、iDeCoや、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)、つみたてNISAとか、資産形成を後押しする税優遇制度があるから、岡本くん、利用してみるといいかもしれないわね。使える国の制度は目いっぱい活用して、いまから少額でもコツコツ、長い時間をかけて、老後に備えることが大事だからね。

岡本くん ふーん、勉強になりました! ってシノちゃん、誰に聞いたの? 本当に幼稚園児? って、もう走って行っちゃったし。

シノちゃん 次回の「子どもが分かるケイザイ」も、お見逃しなく!