未納部分はさかのぼってでも納付したほうがよいのか?

 よくあるご質問の一つに、時効になっていない未納部分は納付したほうがよいのか? というものがあります。結論からいうと、納付できるなら納付したほうが望ましい、となります。

 その理由の一つは受け取れる公的年金の内訳にあります。公的年金のお金は、半分が保険料、半分が税金です。未納の期間は年金がもらえませんから、その期間分は税金の払い損となってしまいます。もう一つの理由は、最近事情が変わってきた、ということです。

 一昔前までは、国民年金の未納期間があっても国からあまりとやかく言われず、そのまま放っておかれることが多くありました。しかし、最近はちょっと違います。国民年金の保険料を未納のままにしておくと、催告状や督促状が届くようになりました。このような手紙が届くと保険料の2年の時効は停止に。無視し続けると延滞金が課されたり、最悪の場合は財産を差し押さえられてしまったりもします。

 ですので、最近は未納のまま放っておくこと自体が難しくなってきました。少しお話しが逸れてしまいますが、催告状などが届いた方は、無視せずに役所や年金事務所へ相談に行くようにしましょう。免除申請や猶予申請の相談もできます。

 最後になりますが、損得のお話しもよく出てくるので少し計算してみましょう。国民年金の保険料は1カ月当たり約16,000円(2018年度は16,340円)。1カ月納付すると将来もらえる年金(老齢基礎年金)は、年額で約1,600円増えます。支払う保険料をもらえる年金額で割り算すると16,000円÷1,600円=10年。ざっくりですが約10年で元が取れることになりそうです。65歳から老齢基礎年金をもらうとすると10年後は75歳です。厚生労働省によれば、男性の平均寿命は81.09年、女性の平均寿命は87.26年となっています。

参考:厚生労働省「平成29年簡易生命表の概況」

 もちろん自分が何歳まで生きられるかは誰にも分かりませんが、平均寿命まで生きられたとすると、払い損になる可能性は低いかもしれませんね。

 国民年金の未納部分は2年1カ月前までさかのぼって納付することができます。さかのぼって納付できるのであれば納付しておいたほうが望ましいでしょう。仮に納付が難しかった場合でも未納のままに放置しておかず、役所や年金事務所で免除や猶予の相談をしておきましょう。

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(浜田裕也)

※この記事は2018年12月23日にマネラボサイトで公開されたものです。

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