国は2025年にキャッシュレス決済比率40%を目指す

 PR合戦が繰り広げられていることもあり、キャッシュレス決済と聞くとスマートフォンにQRコードを表示させたり、QRコードを読み込ませたりすることで支払いをするQRコード決済をイメージする。

 しかし「今の段階では、お客さまにとって便利なサービスということでスマートフォンというデバイスを軸にしたQRコード決済というサービスを積極的に展開していますが、これが最終形というわけではありません。導入コストとお客さまの手軽さのバランスが取れているのが、今の時点ではQRコード決済というわけです」と小山。

「楽天グループには、誰もが安心して持てる『楽天ID』があり、これに決済をひも付ける。ひも付ける先はお客さまがいろいろ選べた方がいいので、銀行口座でもいいし、クレジットカードでもいいし、ポイントでもいい。将来は仮想通貨なども含まれるかもしれません。決済時の認証の部分はQRコードでも、フェリカ(非接触ICカード技術)でもいい。もっとセキュアで簡単な方式が開発されればそれでもいい。私たちは今後も改善を重ねて、より良いプロダクトを提供していくことが重要だと考えています」

 改善には利用者の声が欠かせないという。一例を挙げると、利用者の現在地近くで楽天ペイが使える店が地図上で探せるようになったのも、利用者の声を反映させた結果だという。

 経済産業省が2018 年に公表した「キャッシュレス・ビジョン」では、キャッシュレス決済比率を、日本国際博覧会 (大阪・関西万博)が開催される25年までに40%、将来的には世界最高水準の80%を目指すとしている。

「キャッシュレス決済の9割以上がクレジットカードです。楽天カードはカード業界で単体としてはナンバーワンになり、2018年の取扱高はおよそ7.5兆円に達していますが、それでも毎年25%程度の伸び率を示しています。ポジションが大きいクレジットカードでさえ2割を超える成長が望める業界だし、競争も激しく、国のバックアップがあるので、他の決済手段も含めて40%の目標達成は難しくありません。個人的には80%もそう遠くない時期に達成できると思います」

 キャッシュレス決済と聞くと難しく思えるが、クレジットカードや電子マネーなどは、多くの人が日常生活の中で当たり前に使っているはずだ。今はそれにQRコード決済が加わっただけのこと。消費税引き上げのショックを和らげるために導入されたポイント還元をきっかけに、本格的なキャッシュレス生活を目指してみてはいかがだろう。

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教えてくれた人:小山幸宏