第1の注目点:米中貿易摩擦と香港リスク
第1の注目点は、8月に相場を大きく動かした米中貿易摩擦です。やはり今月もその動向を注視していく必要がありそうです。
9月1日にトランプ大統領は追加関税「第4弾」を発動しましたが、米中通商協議が月内に開催される可能性は残っています。
米国が、中国からの全輸入品へ追加関税を発表したことから、この要因はかなり織り込まれてきたとはいえ、今後の協議決裂や、長期化の懸念、関税合戦がエスカレートし、世界経済減速懸念が高まるリスクは常に内在し、波乱材料になる可能性があります。ここに香港の騒動が絡めば厄介な事態になるかもしれません。
9月11~12日には香港で「一帯一路サミット」が開催予定です。「一帯一路」政策は習近平主席の肝いり政策であるため、香港でのサミットには、習主席も出席予定です。従って、開催までに事態が収拾していなければ、サミットの日程が近づくにつれ、緊張が高まる可能性があるため、注意が必要です。事の成り行きによっては、米中の対立が激しくなり、貿易協議どころではない事態になる可能性もあります。
このサミットが無事に終わったとしても、次のヤマ場である、10月1日の中国建国70周年が控えています。中国政府としては、この時までに事態を収拾させたい考えと言われています。