たくさん稼いでたくさん払う人ほどたくさん年金がもらえる

「国の年金をたくさんもらう方法はない」と多くの人が思っています。「どうせ、自分はもらえないんでしょう?」と。

 しかし、たくさん年金をもらう方法は実はあります。実は厚生年金について言えば、むしろ個人個人の年金制度との関わり具合が、年金額を大きく変える仕組みだからです。

 厚生年金額は、大きく3つの数字の積み重ねによって決まります。

1:給与(ボーナスも)に応じて保険料を納付した履歴
2:保険料を納付した期間(年数)
3:生年月日によって変わる乗率

 それでは、いくつかの簡単なモデルで説明してみましょう。

モデルa

 同じ年度に生まれ、同じ年数を働いた二人がいたとします。

 Aさんは「平均賃金20万円」で、Bさんが「平均賃金40万円」だったとしたら、年金額は2倍の差がつきます。「年金額に2倍差がつく」というと意外な感じがしますが、「保険料を2倍払ったので、年金額も2倍になる」わけです。

モデルb

 同じ年齢のCさんとDさんの二人がいます。どちらも平均賃金が同水準で、「厚生年金に20年加入し、その後フリーランス(国民年金のみ)」のCさんと、「厚生年金に40年加入」したDさんでは、やはり厚生年金額が2倍相当の年金額の差となってきます。

 また、パートやバイトなどで厚生年金を納めていなかった人はさらに差がつきます。厚生年金保険料が高くなるからと年収を抑えて働いていると、実は厚生年金をもらう権利がないことになるからです。

 現状でモデル年金を見ると、満額の国民年金(老齢基礎年金)は77.9万円ですが、これに厚生年金を加えると187.6万円に増えます。この「年収100万円の差」が、ずっと老後にわたって続くわけです。

 あなたが年金を多くもらいたければ「長く働き」「たくさん稼いでたくさん保険料を納める」ことがカギなのです。