米中対立が激化か緩和か、思惑に振り回される世界の株式市場

 先週の日経平均株価は、ほぼ横ばいでした。1週間で6円下がり、2万704円となりました。米中対立が激化か緩和か、思惑に振り回される展開が続いています。

 8月26日(月)の日経平均は、449円安の2万261円と急落しました。8月23日にトランプ米大統領が、中国への制裁関税「第4弾」発動を表明したことを嫌気し、NYダウが急落、為替市場で「リスク・オフの円高」が進んだことが嫌気されました。ドル円は一時、1ドル104円台に入りました。

 ところが、8月27(火)~29(木)まで、日経平均は反発が続きました。トランプ大統領が、中国と合意を目指す姿勢を示したこと、中国側も合意に向けたが話し合いに応じる姿勢が示されたことが好感されました。これで、NYダウが反発、為替市場では「リスク・オンの円安」が進みました。30日(金)には、1ドル106円台の半ばまで戻りました。

 中国側からは、「米国がこれ以上の制裁関税を発動しない」という条件の下で、米国との通商交渉を再開し、合意を目指すと発表がありました。9月1日に発動が予定されている対中制裁「第4弾」の発動が延期されれば、米中合意に向けて話し合いが進むとの期待が少しだけ出ました。

 ところが、米国は、9月1日に予定通り、対中制裁「第4弾」を発動しました。中国も、すかさず、報復措置として、対米関税の引き上げを発表しました。事態は、再び暗転。歯止めのかからない報復合戦から、中国だけでなく米国の景気も悪化し、世界的な景気後退につながる不安は、まだ続きます。