下値を探る展開になりやすい?

 ちなみに、この76.4%押しの1万9,754円ですが、先週末における25日移動平均線を中心線とするエンベロープのマイナス6%(1万9,753円)とほぼ同じ水準です(下の図3)。

■(図3)日経平均(日足)とエンベロープ(25日)(2019年8月23日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 エンベロープについては、これまでにも何度か紹介してきました。

 ここ数年間の日経平均は25日移動平均線から上下3%の範囲内で動くことが多く、相場が大きく動いた際には上下6%あたりが天井や底の目安として意識されやすい傾向があります。

 もちろん、株価が思ったよりもしっかりとした足取りとなって反発していく場面もありそうですが、あまり長続きしないと思われます。今年に入ってからの株式市場は米中摩擦などの「不安」と、米金融政策のハト派スタンスによる「期待」が繰り返される格好で株価が上げ下げしてきましたが、先週末の米国株は、「パウエル・プット」よりも「トランプ・スランプ」の方が優勢となる格好で下落していますので、両者のバランス関係が崩れ、これまでの「株価ループ」シナリオに変化が起こりつつある可能性があります。そのため、相場の地合いはどちらかと言えば下値を探る展開になりやすいと考えた方が良いのかもしれません。