米英で10年と2年国債の金利が逆転しNYダウが800ドル安

 昨日8月14日の米国株式市場は大幅安となり、NYダウは800ドル安で終了し、下げ幅は2018年10月以降で最大だった。米国債の長短金利が12年ぶりに一時逆転したことを受け、景気後退懸念が高まったと報道されている。

 トランプ大統領と中央銀行の株高作戦の中で、最近は「イールドカーブ(利回り曲線)の逆イールドなど、もはや不況の前兆などではない」という声が多い。

 イールドカーブは景気やインフレとは関係のない指標になっていると…。しかし、過去の歴史を見る限り、警戒を怠ってはいけないだろう。

●米国のイールドカーブ

出所:フィナンシャルタイムズ

●米国のイールドカーブ(10年国債とFF[フェデラル・ファンド]金利)と金融危機

出所:ヤルデニリサーチ

 現在、NYダウ平均株価は売りトレンド相場となっている。先週あたりから、PPT(株価下落防止チーム)がそろそろPKO(価格維持操作)に動くと言う噂や、緊急利下げの噂も出ている。しかし、ご案内の通り、運用者の間では、「この相場はいずれ2018年12月の安値を試しにいく」という見方が多い。

出所:石原順

 8月1日のレポート「米利下げでこれからどうなる!?1998年の相場とそっくりな2019年の米国株市場」で紹介した1998年と2019年相場のアナログチャートモデルは、8月14日現在、以下のような軌道となっている。7月23日に点灯したヒンデンブルグオーメンも効力は50日間あり、まだ気を許せない。

●NYダウ(日足) 1998年と2019年のアナログモデル

出所:石原順