なぜマンション投資の対象はワンルーム・1Kなのか?
【ち】賃貸の 借り手は 1K(ワンケー) 求めてる
「なぜマンション投資の対象はワンルーム・1Kなのか?」その答えは、シンプルです。単身者の住まいとして、一番多く借りられているのが、ワンルーム・1Kマンションだからです。賃貸マンションの主流が、50㎡を超えるファミリーマンションなら、ワンルームマンションを投資対象として選ぶ人は、かなり少なくなります。ここではまず、入居者の主流である20代の社会人が、「どのような部屋を選んでいるか?」を確認していきましょう。
下記図表のアンケートのように、首都圏在住の20代単身社会人は、「男性で76%」「女性で83%」と、ほとんどの人が賃貸物件に住んでいます。そして、40代の単身社会人も持ち家より、賃貸物件に住んでいることが多いのです。
[図表2]20代の社会人は、ワンルーム・1Kに住むことが多い
住居の間取りも20代は、ワンルーム・1Kが75%と最も高く、40代でも30㎡未満のワンルーム・1K・1DKに住んでいる人が約44%と、多くの人が賃貸用のワンルームマンションに住んでいることが分かります。だからこそ、投資対象としてワンルームマンションが、選ばれているのです。
さらに、東京都の調べでは、単身世帯は右肩上がりに増え2035年には区部の単身世帯が50.2%になるという発表がありました。そして、国立社会保障・人口問題研究所の統計によりますと、2035年には男性の約3割、女性の約2割が生涯未婚という結果が出ているのです。加えて民間企業の統計では、20代・30代の結婚に関する意識も低いという統計もあります。
[図表3]結婚にこだわらない若者が増えている
つまり、今後は単身世帯が増えていく根拠が多くあるため、ワンルーム・1Kマンションの需要は、高まっていく傾向にあると言っても過言ではありません。一方で、都心のワンルームマンションは、ワンルームマンション規制のため供給は抑えられています。そのため、需要と供給のバランスが悪く、賃貸需要過多のため、家賃が上がる可能性も十分にあるのです。
実際、2000年前半に供給された好立地のワンルームマンションでは、新築当初より家賃が高い物件も多くあります。そのオーナーは、家賃が上がったことにより資産価値も維持でき、キャピタルゲインを得ている人も多くいるのです。今後も需要と供給のバランスが崩れ続ければ家賃の下落は抑えられ、資産価値の維持もしやすくなります。
このように、さまざまな人口統計を見ていると、それは決して悲観的な観測ではなく、現実的にあり得る話です。そういった事象やポテンシャルから、ワンルームマンションは多くの投資家から選ばれています。
(仲宗根 和徳/株式会社和不動産 代表取締役)
※この記事は2019年6月20日に幻冬舎ゴールドオンラインサイトで公開されたものです。