19年上期は国内線予約がやや低調、下期の持ち直しに期待

現地コード 銘柄名
00696

中国民航信息網絡

(トラベルスカイ・テクノロジー)

株価 情報種類

 16.38HKD
(7/26現在)

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 中国航空業界の国内線利用者数は19年上期に前年同期比7-8%増と、18年上期の同12%増から減速した。前年同期実績の高さや国内経済の減速が背景。ただ、国際線需要は引き続き旺盛だった。トラベルスカイ・テクノロジーの航空券予約件数を見ると、上期に前年同期比7.8%増。BOCIは19年6月中間期の売上高、純利益について、それぞれ前年同期比8.8%増、4.8%増を予想。下期に関しては前年実績の低さや夏のホリデーシーズンの需要増効果などから、業務統計が上向くとの見通しを示した。業務量に関する想定値の引き下げに伴い、19-21年の予想純利益を2-5%減額修正したものの、同社のビジネスモデルは安泰であるとして前向きに評価し、この先の旅行ブームを追い風とした利益成長を予想。目標株価を小幅に引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 中国の航空各社向けの予約件数は6月に前年同月比7.5%増。19年上期では前年同期比7.7%の伸びを示し、国内線、国際線がそれぞれ6.6%増、14.2%増だった。国内線予約がやや低調である半面、国際線は好調。海外の航空会社向けを見ると、上期の予約件数は9.6%増と相対的に堅調で、18年上期の1.6%増から加速している。

 国内線予約に関する想定値の引き下げに伴い、BOCIは19年の予想売上高を0.2%減と小幅に減額修正し、20-21年に関しても約1%引き下げた。また、営業コストは18年下期並みの水準で高止まりするとの見方。その理由として、コスト削減に対するモチベーションの低さやそのための方法の欠如などを指摘した。業務量に関する想定値の引き下げに伴い、19年の予想純利益を4%減額修正し、20-21年に関しても1-2%減額している。

 BOCIはDCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づき、目標株価を小幅に引き下げた。新たな目標値はDCF方式で算出した予想NAV(純資産価値)に対して1%のディスカウント水準であり、19年予想PERでは23倍相当。NAVに対するディスカウントを設定したことに関しては、主に利益率の悪化リスクを反映させたと説明した。株価の先行きに対し、強気見通しを据え置いている。

 一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因として、BOCIは◇マクロ経済の減速を受けた航空旅客需要の伸び率鈍化◇航空会社がそれぞれ自社独自のシステムを構築する可能性を挙げている。