19年6月中間期に好業績の見通し、保有用地の価値上昇で高評価

現地コード 銘柄名
01109

華潤置地

(チャイナ・リソーシズ・ランド)

株価 情報種類

 35.15HKD
(7/25現在)

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 BOCIは華潤置地の19年12月通期決算について、一部の指標がやや勢いを欠くが、好業績を達成するとみている。19年上期の物件成約額の伸びは同業銘柄と比べて相対的に高く、通期目標の達成が可能と指摘。6月中間期の売上高に関しては前年同期比で20%前後の増加を見込み、純利益は10%をやや上回る伸びになるとの見方。予想増益率が増収率を下回る理由として、18年に異常な高水準にあった粗利益率が“正常化”する見通しを挙げた。また、同社は住宅市況に過熱感が出た3月には取得を手控えたものの、上期には総じて積極的に土地取得に動いた。BOCIは保有用地の価値の上昇を理由に目標株価を引き上げ、株価の先行きに強気見通しを継続している。

 19年上期の物件成約額は前年同期比26.1%増の1,190億元。通期目標(2,420億元)の達成率は49%となった。BOCIはこのペースであれば、通期目標はクリアできるとの見方だ。前年同期実績が高い下期には、成約伸び率は減速する可能性が高いものの、通期で前年比約15%の伸びが見込めるとしている。

 BOCIはリサーチの結果、物件引き渡しスケジュールが当初予想よりやや遅れ気味であると報告し、この点を理由に、19年通期の予想売上高を6.4%減額修正した(新たな予想値は1,494億元)。19年上期に関しては前年同期比約20%の増収を見込む。一方、上期の粗利益率は約38%と、前年同期の48.1%、18年通期の43.4%を下回ると予想。この点を反映させた上で、上期のコア利益伸び率が約10%に減速するとみる。成約物件の粗利益率は現在およそ30%。20年に関しては30-35%との予測を明らかにしている。

 同社は19年上期に、新たに1,020万平米(延べ床面積換算)相当の開発用地を取得した。同期の販売面積は630万平米であり、手元用地は大きく拡大したことになる。国内不動産市況が過熱傾向を示したタイミングでは、同社は土地取得を手控えたため、2-3月の取得分は39プロジェクトのうちわずか3件だった。権益換算の取得コストは上期に540億元。純負債比率は18年末の38%から、40-50%へ上昇する可能性が高い。

 一方、投資物件としての商用不動産事業は依然好調。賃料収入は19年上期に前年同期比32.7%増の57億9,000万元に達した。BOCIのリサーチによれば、店舗物件の総小売売上高は1-5月に同34%増、自律成長率は16%だった。

 BOCIは物件引き渡し日程の遅れや予想粗利益率の小幅の修正に伴い、19-20年の予想EPSを2.5-7.4%減額した。その半面、上期の新規用地の取得を反映させる形で、1株当たり予想NAV(純資産価値)を48.42HKドルへ17%引き上げた。現在株価の19年予想PBR(株価純資産倍率)は1.4倍であり、対NAVのディスカウント率は27%。BOCIはファンダメンタルズの堅調や高ROE(19年予想15.6%)、高配当利回り(19年予想3.7%)などを理由に現在株価の値ごろ感を指摘している。