17年6月中間期に56%増益

現地
コード

銘柄名 株価 情報種類
06136

康達国際環保
(カンダー・インターナショナル・
エンバイロメンタル)

 1.55 HKD
(8/31現在)

株価
企業情報
チャート

 康達国際環保の2017年6月中間決算は、前年同期比56%の増益だった。主に関連会社・中原資産管理有限公司(Zhongyuan Asset Management)の利益貢献によるもので、主力の下水処理ビジネスの業績はやや低調。処理能力は期中に、日産56万トンの幅で増加した。経営陣によれば、向こう2-3年はPPP(官民連携)プロジェクトが収益成長を牽引するとみられ、17年下期には建設工事の進捗が加速する見通しという。BOCIは目標株価を引き下げながらも、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 6月中間期の純利益は前年同期比56%増の1億7700万元と、BOCIの通期予想の44%に相当する水準だった。売上高は同18%増にとどまり、粗利益率は2.4ポイント低下したが、株式15%を保有する関連会社・中原資産管理有限公司の利益貢献がこうしたマイナス要因を相殺した。上期に稼働を開始した新規処理能力は日産56万トンと、前年比で加速傾向を示している(16年通期は63万3000トン)。処理量の伸びもほぼ、処理能力の増加率と同水準となり、設備稼働率は85%。平均処理料金は1立方メートル当たり1.31元と、ほぼ前年同期並みだった。

 中間期に建設中だったPPPプロジェクトは5件で、投資総額にして41億元弱。こうしたプロジェクトの開発は向こう2-3年にわたって続く可能性が高い。これに加え、同社は過去2カ月間に、広東省東昇の4億元相当のPPPプロジェクト、江西省福順の13億元相当のEPC(設計・調達・建設)プロジェクトを獲得済みであり、いずれも年内に着工する見込み。

 さらに4億元相当のプロジェクト3件の契約を今後に控えている。この契約3件を順調に獲得できれば、BOCIの予想通り、17年、18年に年率各20%の増益決算を達成することが可能という。レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因は、◇獲得済みプロジェクトの開発状況が予想以上に遅れる可能性、◇新規プロジェクトの採算性が予想を下回る可能性――。

 BOCIは同業銘柄を60%下回る現在株価の低バリュエーションを指摘した上で、前年同期比20%増益の実現につながる契約獲得状況を前向きに評価している。同社株価の先行きに対して強気見通しを継続した。ただ、同社事業を取り巻くリスクや不確実性を反映させる形で、目標株価算出上のWACC(加重平均資本コスト)を7.3%から8.5%に修正。これに伴い、目標株価を引き下げた。新たな目標値は17年予想PERで8倍、同PBRで0.8倍に当たる水準。12%のROEを考慮すれば、この目標水準に割高感はないとしている。