利下げは既に相場に織り込まれている

 2019年7月31日のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げ幅について、利下げ幅が0.5%だとか0.25%だとか外野がうるさくなっている。今の相場は景況感の悪さには目をつぶって“利下げ期待だけ”で上げているから、そういう議論になるのだ。0.5%の利下げというのは市場の催促である。

 筆者の独断と偏見の意見を言えば、利下げ幅が0.5%でも0.25%でも株は売られるであろう。0.5%なんてやってしまえば、当面金利は下げないので材料出尽くしとなってしまう。0.25%なら株が下がるたびに催促相場となるだろう。

 足元の利下げ期待は過剰であり、市場はその反省にいくのではないだろうか。利下げ後は株高・ドル高にはなりにくいだろう。利下げは既に相場に織り込まれているからだ。

FFレート(米政策金利)の推移とバブルの崩壊

出所:ゼロヘッジ

NYダウ(日足)とボラティリティ
 株はボラティリティが低下していく過程でじりじり上げていく商品である

上段:オプションボラティリティ(赤)・MACDの売買シグナル
下段:14日ATR(緑)・MACD
出所:石原順