今週のドル/円は?
ドル/円はウィリアムズ総裁の発言で107円台後半から107円台前半に急落しましたが、NY連銀の説明によって元の水準に戻し、また、WSJの報道によって108円台で今週は動いています。
0.50%ではなく0.25%の利下げが濃厚となったことや、0.25%利下げさえも既に織り込んだことから、もっと円安に反発しても良さそうですが、108円台に乗せてからの伸びが鈍い動きとなっています。
このように、円安に行きにくいのは年内のさらなる利下げ期待が背景にあるようです。7月の次は9月か12月、もしくは9月も12月も利下げとの見方です。
ただ、注意しなければいけないのは、金利市場では年2~3回の利下げを織り込んだ水準にあるとみられているため、9月が近づくにつれて9月利下げの可能性が低いとの見方が広まれば、金利は上昇し、ドル/円も110円方向に反発する可能性があるという点です。
相場はFRBの高官発言によって上下に動きましたが、今週は「ブラックアウト」期間(※)に入ったことで金融当局者の発言によって動くことはなさそうです。
※「ブラックアウト」期間…金融政策を決めるFOMCの参加メンバーらが、金融政策に関することについて発言を控える期間
また、FOMCが控えていることから様子見相場が続きそうですが、7月26日(金)発表の米4-6月期GDP(国内総生産)速報値は、FOMCの決定に影響を与える可能性があるため、注目する必要があります。2%弱の予想を大幅に上回れば、利下げ期待が大きく後退することも予想され、ドル/円は反発する可能性もあるため注意が必要です。もちろん、2%を下回れば、来週の利下げ幅や年内の利下げ回数への期待が大きくふくらみ、FOMCの前にドル安・円高に動くことが予想されます。
日米欧の金融政策の他にも、7月に入ってドル/円の下方リスクを誘引する波乱材料が増えてきています。英国を始めとした欧米との緊張が高まるイラン情勢や、参院選が終わったため交渉が始まる日米通商協議などの動向に留意する必要があります。
特に日米通商協議については、交渉を有利に運ぶためプレッシャーをかけてくるのはトランプ米大統領の常套(じょうとう)手段であるため、為替に対する発言には警戒しておく必要があります。