ズィプツェン: まずイーナさん、銀行は主にどのように収益をあげているかご存知ですか?
イーナ: え?そう言われてみると…、ATMの手数料とかですか?
ズィプツェン: 確かにそれも1つの収益源です。ですが、一般的に銀行は主に「利ざや」を稼ぐことで収益をあげています。
イーナ: ? 利ざやですか?
ズィプツェン: はい。銀行は預金などで調達した資金を、貸出や有価証券などで運用します。この運用益と預金金利などの調達コストの差が利ざやです。
イーナ: あ、そっか。銀行は資金を貸出しているんでしたね!
ズィプツェン: そうですね。運用の中心となる貸出の増加は企業や個人などからの資金需要に左右されるため、景気の動向が鍵を握ります。特に大手銀行は海外で巨額の貸出を行っているため、海外の景気動向が重要性を増しているといえます。
イーナ: 自分にとっては銀行ってすっかり預金のイメージでした。ところで、どんなときに利ざやは大きくなるんですか?
ズィプツェン: いい質問ですね。この利ざやですが、企業や個人などへの貸出を行う際の貸出金利回りと、預金を中心とした調達資金の利回りとの差によって決まるため、貸出金や預金の利回りに影響を与える金利の動向が決定的に重要なんです。
イーナ: ふむふむ、金利の動向に注目すればいいんですね。
ズィプツェン: はい。金利の動向は銀行の利ざやの変動に直結するため、銀行の収益と株価に大きい影響を与えます。例えば金利の上昇は、貸出金利回りの上昇が収益性の改善に繋がるため、銀行の株価にポジティブな影響を及ぼすと考えられます。
イーナ: なるほど、よくわかりました。他に何かポイントはありますか?
ズィプツェン: はい、銀行業には他の業種より厳しい自己資本比率規制というものがあります。
イーナ: 自己資本比率規制?すみません、自己資本て何でしたっけ?
ズィプツェン: 自己資本とは、株主などから調達した資本金と、経営活動の結果得られた剰余金とを合計したものをいいます。国際的に活動する銀行に対しては、信用リスク等を加味して一定以上の自己資本の比率を求める国際的な統一基準があります。
イーナ: その規制が銀行にどんな影響を与えるんですか?
ズィプツェン: 十分な自己資本比率の維持に余裕のない銀行は、自己資本比率の分母である総資産の大部分を占める貸出金残高を積極的に拡大することが難しくなります。貸出を増やす余裕が無くなり収益が伸び悩むと、株価にはネガティブな影響を及ぼすため、自己資本比率規制などの動向は銀行の株価を左右する重要な要因となります。
イーナ: なるほど、よくわかりました!もちろん銀行セクターにも?
ズィプツェン: ございます。「TOPIX-17銀行」の値動きに連動するETFです。
イーナ: わかりました、ありがとうございます!
ズィプツェン: ご参考になったでしょうか。それでは、モードを切り替えます。……、
イーナ: あっ、戻る!
ズィプツェン: イーナ、タメニナッタ?セクターハアトフタツダヨ。
イーナ: そっか、もうあと2つ!!早いなぁ。
ガチャ
イーナ: あ、十七郎さん!おじゃましてました(笑)
十七郎: これはこれは、不在の間はズィプツェンが対応してくれましたか?
イーナ: はい、ズィプツェンがしっかり業種のレッスンをしてくれました!ね、ズィプツェン?
ズィプツェン: ……。
イーナ: あれ?しゃべらなくなっちゃった。
十七郎: まぁきっと話し疲れたんですよ(笑)ところでイーナさん、セクターはいよいよあと2つですが、いまから一気に勉強していっちゃいましょうか?
イーナ: え!いいんですか?!
十七郎: はい、では少し休んだら次のセクターにいきましょう!
続く
※指数のディスクレーマーについては下記をご参照ください。
TOPIX-17シリーズに係る知的財産権は、株式会社東京証券取引所に帰属します。
※この記事は2018年7月17日に東証マネ部!サイトで公開されたものです。
(提供元:大和投資信託)
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